猛虎打線を牽引した阪神・掛布=1985年撮影 (c)朝日新聞社
猛虎打線を牽引した阪神・掛布=1985年撮影 (c)朝日新聞社

 今オフ、MLBでは名門ヤンキースがジャンカルロ・スタントンを獲得し、アーロン・ジャッジとの「両リーグ本塁打王コンビ」が誕生することになった。ここにゲイリー・サンチェスを加えた3人がクリーンナップを組めば、計144発(スタントン59本、ジャッジ52本、サンチェス33本)の超強力トリオが完成する。翻って、日本はどうか。1980年代以降、MLBにも負けない破壊力を誇った最強クリーンナップの候補を挙げてみたい。

■1985年 阪神(バース、掛布雅之、岡田彰布)
 もはや伝説となっている1985年の阪神。巨人戦でのバックスクリーン3連発はあまりにも有名だが、その試合以外でも3番・バース(打率.350、54本塁打、134打点)、4番・掛布雅之(打率.300、40本塁打、108打点)、5番・岡田彰布(打率.342、35本塁打、101打点)のクリーンナップが打ちまくり、特にバースは三冠王&リーグMVPの大暴れ。掛布、岡田のふたりもこの年が自己最高と言える成績で驚異的な得点力を誇った。猛虎打線で日本中に阪神フィーバーを巻き起こした。

■1990年 西武(秋山幸二、清原和博、デストラーデ)
 森祗晶監督の下で黄金期を謳歌した西武。1990年は2位に12ゲーム差をつけて優勝し、日本シリーズでも巨人を4連勝で下した。この年は、3番・秋山幸二(打率.256、35本塁打、91打点)が51盗塁で盗塁王、4番・清原和博(打率.307、37本塁打、94打点)はリーグ最高出塁率.454を残し、5番・デストラーデ(打率.263、42本塁打、106打点)が本塁打王&打点王の2冠を獲得。破壊力抜群の「AKD砲」を忘れられないファンも多いだろう。

■1998年 横浜(鈴木尚典、ローズ、駒田徳広)
 “権藤マジック”で球団38年ぶりの優勝&日本一に輝いた1998年の横浜。その原動力は、大魔神・佐々木主浩とともに、打ち出すと止まらない“マシンガン打線”だった。そして、その中軸に座ったのが、3番・鈴木尚典(打率.337、16本塁打、87打点)、4番・ローズ(打率.325、19本塁打、96打点)、5番・駒田徳広(打率.281、9本塁打、81打点)の3人。本塁打こそ多くはなかったが、繋ぎの意識がクリーンナップにも浸透し、幾多の逆転劇を演じた。横浜の地を歓喜で包んだ1998年のクリーンナップは、実に印象深い。

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近年で最強の部類に入るのは…