36歳過ぎの社畜は量産型ザク? シャア専用ザクを目指すべき理由 (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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36歳過ぎの社畜は量産型ザク? シャア専用ザクを目指すべき理由

山本一郎氏(撮影:ONE PHOTO/Y.Arai)

山本一郎氏(撮影:ONE PHOTO/Y.Arai)

対談する山本一郎氏(左)と村上アシシ氏(撮影:ONE PHOTO/Y.Arai)

対談する山本一郎氏(左)と村上アシシ氏(撮影:ONE PHOTO/Y.Arai)

■収入のポートフォリオを組むのが真の安定

村上:結婚、子どもの事例については僕自身が経験していないので、正直言うと、そのノウハウはほぼない。でも仮に結婚、子どもができたとなったら、サラリーマンに戻るという選択肢もありだと思ってる。実際、子どもがお受験するのに肩書きが必要だからという理由でサラリーマンに出戻った元同僚もいます。人材の流動性が高まった現在なら、いくらでもシフトチェンジできる。20代、30代のうちに一度フリーランスを経験しておけば、子どもが自立して時間ができたからまたフリーランスに……というのも難しくない。一回やってみろ、と。サッカーでもクラブ生え抜きの選手よりも、多くのクラブを移籍してきた選手の方が年俸は上がりますから。

山本:一方で、いままで金看板で飯を食ってきた人、たとえば新聞社、出版社、通信社など会社の名刺で取材してきた人が、フリーランスのライターになった途端に食えなくなることもありますよね。ゲームクリエイター、俳優、脚本など、クリエイティビティが高く、かつやりたい人が多い世界は、金看板である会社の権威を失うとドンと年収が下がる傾向にあります。そういった業種はスキルの比較がしにくいし、特定の人脈にぶら下がって仕事をもらう形だと、そこから声がかからなければ収入を失う。フリーランスになっても会社に勤めているのとさほど変わらない。

村上:確かに、クリエイティブの分野は難しいかもしれない。フリーランスでもクライアントと対等な立場で仕事内容と金額を自分でコントロールできなければ、負け組となって安い料金でこき使われるだけですからね。ただ、業界によっては業務代行のエージェントが増えていて、自分に人脈がなくても独立しやすい土壌がこの5年ほどで整備されてきています。その分、仲介料は抜かれるけど、ちゃんとプロのエージェントが介在して、適材適所に配置してくれる。フリーランス市場の成熟に伴って、企業側も変わってきていて、プロフェッショナルのフリーランスを期間限定で採用することへの抵抗感も薄れてきている。アメリカに遅れること数十年、やっと日本で、フリーランス市場の環境が整いだしてきたんです。

山本:なるほど、健全ですね。

村上:こういった、仕事を紹介してくれるエージェント事情ってあまり世間に知られていないですよね。「働き方改革」と言われているものが、サラリーマンベースでしか語られていないから。副業も話題になっていますけど、多くのサラリーマンが会社からの給料のみに依存して生きているわけで、万が一会社が倒産したら収入源の全てが断たれる格好になる。どんだけリスク高いんですかと。僕はコンサル業のほかに、サッカー界隈でライター業、講演などもやっていて、収入のポートフォリオを組んだ上で、リスク分散しています。

山本:本来の安定はそういう稼ぎ口、得意先の分散が理想ですよね。

村上:東芝やシャープなどかつて就職ランキング上位の企業が失墜するケースなんてざらですし、一社に人生を捧げるリスクをどう考えるか。上場企業の管理職の椅子取りゲームに勝利することにどれだけの価値があるのか。それで人生アガリではなく、そこからさらにたいへんな思いが続くのに。


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