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がんと闘う記者、「うんこ漢字ドリル」に思う

連載「がんと闘う記者」

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野上祐(のがみ・ゆう)/1972年生まれ。96年に朝日新聞に入り、仙台支局、沼津支局、名古屋社会部を経て政治部に。福島総局で次長(デスク)として働いていた2016年1月、がんの疑いを指摘され、手術。現在は抗がん剤治療を受けるなど、闘病中

野上祐(のがみ・ゆう)/1972年生まれ。96年に朝日新聞に入り、仙台支局、沼津支局、名古屋社会部を経て政治部に。福島総局で次長(デスク)として働いていた2016年1月、がんの疑いを指摘され、手術。現在は抗がん剤治療を受けるなど、闘病中

 小学生向けの「うんこ漢字ドリル」(文響社)が売れているそうだ。福島のときの仲間が朝日新聞社のニュースサイト「withnews」に書いていた。

 実は、私にとって「うんこ」はトイレで流して「はい終わり」という他人行儀な関係ではない。

 がんの関係でここしばらく、へその横に取りつけた人工肛門(こうもん)から出しているため、毎日それなりの時間をかけてつきあっている身近な存在なのだ。そんなこともあり、ある日の昼間、本屋に出かけ、小学5年生と6年生のドリルを買ってきた。

  ◇
 ドリルは3018の例文すべてに「うんこ」を使っているのが売りである。

 まずは政治記事によく出てくる漢字を探す。権力、権利などの「権」は6年生の漢字だ。隣には政策の「策」が、次のページには憲法の「憲」があった。

 21年前に新聞記者になったとき、記事は中学生でも読めるように書け、と教わった。読者のみなさんが、ある程度の漢字を知っていることが前提だ。なるほど、「衆」「党」「派」を6年生で立て続けに習うわけだ。

 ましてや18歳選挙権の時代。入り口が何にせよ、若いうちから政治の言葉になじむ必要性は増している。

 例文はどれも考えさせられる。

「権力者にうんこを独りじめされないようにしよう」
「きみには自分のうんこを流す権利がある」
「日本国憲法に、『うんこの自由』のこう目はありますか?」


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