元総理の名も… 「パラダイス文書」が「パナマ文書」と大きく違う点とは? (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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元総理の名も… 「パラダイス文書」が「パナマ文書」と大きく違う点とは?

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奥山俊宏(おくやま・としひろ)/朝日新聞編集委員。1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。2011年、米非営利報道組織「ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)」のメンバーになる。パナマ文書、パラダイス文書など租税回避地に関する秘密文書の解析と報道に参加。2017年、『秘密解除ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』で司馬遼太郎賞受賞(撮影/写真部・岸本絢)

奥山俊宏(おくやま・としひろ)/朝日新聞編集委員。1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。2011年、米非営利報道組織「ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)」のメンバーになる。パナマ文書、パラダイス文書など租税回避地に関する秘密文書の解析と報道に参加。2017年、『秘密解除ロッキード事件 田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』で司馬遼太郎賞受賞(撮影/写真部・岸本絢)

 日本時間2017年11月6日午前3時。ある秘密文書に基づく報道が世界中で一斉に始まった。「パラダイス文書」。莫大な内部告発データがつまびらかにしたのは、多国籍企業やセレブとタックスヘイブン(租税回避地)の関わりの実態だ。英女王、トランプ政権の閣僚、日本の元首相の名も。国際的なジャーナリスト集団の一員としてデータの分析・取材にあたり、著書『パラダイス文書』を緊急出版した朝日新聞の奥山俊宏編集委員に聞く、格差を広げる「税の楽園」とは?

――「パラダイス文書」とは?

 世界には、大西洋の英領バミューダ諸島やカリブ海の英領ケイマン諸島といった、所得や利益にかかる税金がゼロもしくは非常に低い国や地域があります。「タックスヘイブン(租税回避地)」と呼ばれるそうした地域に、多国籍企業や大富豪がペーパーカンパニーを作り、資産や利益を移すことで、自国での収益を低く計上し納税額を抑えたり、さまざまな規制を逃れたり、経済活動を見えにくくしたりしている――。そうした実態を知るための手がかりが記された秘密文書が「パラダイス文書」です。

 タックスヘイブンにある大手法律事務所など複数のルートから流出した大量のデータを南ドイツ新聞が入手。その1340万件にも上る電子ファイルを、米ワシントンDCに本拠を置く非営利の報道機関「国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)」を通じて、67カ国96の報道機関に所属する380人を超えるジャーナリストが共有し、分析と取材に取り組みました。

――著名人や有名企業の記録がたくさん見つかったとか?

 本国はもちろん国際的にも話題になったのは、エリザベス英女王です。2005年に英領ケイマン諸島のファンドに個人資産750万ドル(約8億6000万円)を投資し、多額の分配金を得たという記録がありました。女王自身はそうしたところに自分の資金が流れているとは知らなかったそうですが、そのファンドの投資先の中には、家具を高利で売る商法で消費者団体や議員から批判された曰くつきの企業もありました。「だれよりもクリーンであるべき元首のお金を管理する人は、租税回避の汚れた世界に決して近づいてはいけないのに……」といった困惑と批判の声が出ました。



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