「このバッチは自分で2万円で買うんですよ。別に与えられるわけじゃないんです。だから、考えようによっては、合格した人はこのバッチを買う権利が与えられたってことですよ」

 金バッチもオチも見事につけてくれたひぐち君。もちろん資格証明書はきちんと授与されるそうだ。

 現在ワインのためにはお金を惜しまず、世界や日本を駆け回るひぐち君は、今までにワインのために投資した金額は100円万近くに上るという。しかし、ここまでワインに掲げるのは、どんな展望があってのことなのか?

「なんでしょうかね。日本はワインを飲む文化がないじゃないですか。飲み方にルールがあるとか、値段が高いとか、飲まず嫌いなところがあると思うんですよ。でも、全然ルールなんてないし、手頃に飲めるんですよ。だって、フランスではホームレスでもワイン飲んでいますから。それくらい庶民的な飲み物なんです。だから、ワインを日本にもっと浸透させたいって本当に思ってるんです。それに日本のワインは世界に比べるとまだマイナーですが、日本人独特の真面目で細かな職人技ならいつかは世界一のワインになれるはずなんです。その力になりたいんです」

 最後にワインでいくつか例えてもらった。

 ひぐち君にとってワインとは?

「自分を導いてくれるもので、体の中の芯みたいなものです」

自身をワインに例えると?

「いつかはロマネコンティのような存在になりたい」

 では、相方の山田ルイ53世さんは?

「ごつごつしたボルドーの赤ワインですかね。すいません、あんまりうまい例えが思い浮かばないです」

 今後の目標は、ワイン一本でやっていきたいといい、ワイン芸人としての地位を確立したいという。

「ワインを語るのも今の僕じゃだめで、20年、30年くらいは学ばないと説得力がないと思うんですよ。そしたら、いつかはワインのことを語っていいタレントになれるのかなと。だから、日々勉強。それで最後は60歳くらいになって、本物のロマネコンティで男爵さんとルネッサ~ンスしたいですね」

 そう夢を語るひぐち君。20年後のボジョレ・ヌーボーの解禁式に、ひぐち君が呼ばれたなら、果たしてなんと言うのか。是非とも聞いてみたいものだ。(新津勇樹)

髭男爵 ひぐち君のプロフィール
お笑いコンビ・髭男爵のボケ担当。福岡県出身。「ルネッサーンス」「ひぐちカッター」のギャグで2008年頃ブレイク。現在ではワインエキスパートを取得するなど幅広く活動中。