ダウンタウン (c)朝日新聞社
ダウンタウン (c)朝日新聞社
とんねるずの石橋貴明 (c)朝日新聞社
とんねるずの石橋貴明 (c)朝日新聞社

 芸能の特集記事は数あれども、週刊誌や実話誌、女性誌、写真週刊誌などでこれまで再三にわたって取り扱われて来たのが「共演NG」関連の記事だ。

【写真】かつてダウンタウンが共演NGだった大物芸人は?

 14年には、フジテレビ系バラエティー番組「笑っていいとも! グランドフィナーレ 感謝の超特大号」において、それまで週刊誌などの共演NG特集記事では“鉄板ネタ”にもなっていたお笑いコンビ「とんねるず」と「ダウンタウン」が同じステージに立ち、大きな話題を呼んだ。

 その後も、各メディアが報じる芸能人同士の共演NG関連の記事は、たびたび注目を集めてきた。

 だが、そもそも芸能界における共演NGは、これまでメディアが報じているほどには存在しないというのが実情だ。

 まず前提としてタレントの多くはテレビ番組にしろ、コンサートや舞台などの興行にしろ、その活躍の場において“団体プレー”を余儀なくされることが多い。

 一人芝居や単独コンサート、ソロ出演のCMといった稀有なケースでない限り、他の芸能人との共演は必須となる。

 しかも、タレントにとって高額ギャラが期待できる大きな仕事の大半は受動的なもので、出演オファーが来てから初めてその仕事を受けるか、断るかを選択することになる。

 つまり、共演NGといった“特記事項”は自ら仕事のオファーの門戸を狭め、芸能活動において大きなマイナスにもなりかねないのだ。

 もちろん、芸能人も人間なので共演者に対する好きor嫌いや好みor苦手といった感情はあるだろう。

 さりとて、自身の冠番組を持ち、番組の構成にも参加し、ゲスト出演者のキャスティングにまで意見できるような一握りの超売れっ子でもない限り、共演者の選り好みができるほどの立場にはない。

 仮に、内心では共演者に対して「嫌い」、「顔も見たくない」という思いを抱いていたとしても、そうした感情を抑えてそつなく仕事をこなすのがプロであり、周囲もそれを望むものだ。

 さて、こうした前提を踏まえたうえで、それでも芸能界に実在する共演NGの背景にはいったいどんな事情があるのか?

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三杉武

三杉武

早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身し、記者時代に培った独自のネットワークを活かして芸能評論家として活動している。週刊誌やスポーツ紙、ニュースサイト等で芸能ニュースや芸能事象の解説を行っているほか、スクープも手掛ける。「AKB48選抜総選挙」では“論客(=公式評論家)”の一人とて約7年間にわたり総選挙の予想および解説を担当。日本の芸能文化全般を研究する「JAPAN芸能カルチャー研究所」の代表も務める。

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