タレントの多くは下積み時代を経て活躍の場を広げていくわけだが、中には芸能活動の途中で“キャラ変”したことで下積み時代を“黒歴史”としてキャリアから抹消しようと考える者もいる。

 最近でも、ドラマや映画での活躍が目立ち始めている某アイドルが、記事として扱う際の肩書きを「アイドル」ではなく「女優」と表記するようにメディアに厳しく注文をつけてヒンシュクを買っているが、こちらも芸能界ではよくあることだ。

 今をときめく人気女優の中にも、モデルやアイドル、グラドル時代にバラエティー番組などで共演する芸人から過激なイジられ方をされたり、人気女優となった今では考えられないリアクションを求められた経験を持つ者も多い。

 そうした中には、女優として築き上げたイメージを守るため、あえて下積み時代を想起させる当時の共演者との接触を避けようと共演NGにしている場合もある。

 ただし、こちらも(1)と同様、タレント本人の意思というよりは所属事務所をはじめとした周囲の売り出し戦略を具現化した結果であり、本人がどこまでそのことを理解しているかは微妙なところではある。

 ある女優からは、「プライベートでは今でも食事や飲みに行ったりする芸人さんが、自分が知らないうちに仕事上では共演NGになっていた」なんて話を聞いたこともある。

 他方、(3)のケースに関してはタレント本人の意思が色濃く反映されているケースが多い。

 “仕事上のトラブル”で分かりやすい例としては、「さまぁ~ず」の三村マカサズとヒロミのパターンが挙げられるだろう。

 今では和解を果たした2人だが、三村はかつてヒロミとの共演をNGにしていたことをバラエティー番組で告白。

 その理由として、「バカルディ」時代に共演した際、厳しいダメ出しをされて以降、共演を避けていたという。

 ヒロミからすれば、後輩への愛あるダメ出しのつもりだったのだろうが、受け手の三村にとってはひどくショックな出来事だったのだろう。

 双方それぞれに言い分はあるだろうし、部外者が表沙汰になっている情報だけでどちらが悪いと言い切ることはできないが、こうした人間関係のトラブルは一般社会でもよくあることである。

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