2階建て8室のゲストハウス。ウォシュレット、ジャグジーバスつきで1室38ドル。屋上には展望レストランも
2階建て8室のゲストハウス。ウォシュレット、ジャグジーバスつきで1室38ドル。屋上には展望レストランも
娘さんと一緒に。右が東條さん
娘さんと一緒に。右が東條さん

 資産運用のためにアパート経営に乗り出したり、アラフォー間際に世界一周一人旅を強行したりし、自らの体験を『主婦でも大家さんアパートまるごと買う方法』『主婦を休んで旅にでたよくばり世界一周!』(ともに朝日新聞出版刊)などのエッセイ漫画にして、話題を呼んできた東條さち子さん。

【スリランカでゲストハウスを始めた東條さち子さんはこちら】

「思い立ったら即行動」が信条の彼女が、今度はスリランカでゲストハウスを一から建築し、現地スリランカ人と共同で経営。その顛末を雑誌「ネムキ+」(朝日新聞出版)で連載している。10月17日放映の『世界の村で発見!こんなところに日本人』にも登場する東條さんに、スリランカでゲストハウスを始めた理由と経営方法について聞いてみた。

――なぜスリランカというアジアでもマニアックな部類に入る国でゲストハウスをしようと思ったんですか?

 ずっと漫画の仕事を続けてきて、日常生活の疲れや、人生に行き詰りを感じたことから世界一周旅行に出たのが、そもそものきっかけだったんです。世界一周旅行後に出会ったのがスリランカのシーギリアという都市でした。ここはシーギリア・ロックという大きな岩山の頂上に古代都市の遺跡があり、世界遺産にも登録されている観光地なんですが、まずその風景に感動したんですよね。そこで『象乗り体験しないか?』と声をかけてきたのが、今のビジネスパートナーのニッサンカでした。出会いが客引きだったので(笑)、最初警戒しましたが、話すうちに親しくなっていったんですよ。彼はツアーガイドでもあり、象乗りオフィスのマネージャーをしていて、そのお店は観光客に大変人気でした。一緒にゲストハウス経営をしないかと誘われたのは日本に帰国してから、電話で話していた時でした。

――電話でいきなり? かなり無謀にも思える挑戦ですが……。

 私も初めは悩んだんです。だってゲストハウス経営ということはスリランカに移住することになりますし、漫画の仕事や家族のこともありますよね。夫もいますし、海外留学中ですが娘もいます。でも自分の中に日本での生活に対して、不安感がずっとあったんですよね。自営業の自分とタクシードライバーの夫で、共働きの二人三脚で20年近く生活してきましたが、“増税”“福祉問題”“安保”など将来に不安を感じたんです。一方、スリランカでは長年の内戦が終わり、これから経済発展していく明るい展望が見えた。悶々と30分ほど悩んで、夫に移住しようと伝えました。夫は私がやると決めたら絶対に行動するということを知っているので(笑)、しぶしぶですが賛成してくれました。

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