マンガ:北川なつ
マンガ:北川なつ

 老け込んだ親の姿にハッとしたことはありませんか? そんな親のきもちや行動を、もしかしたら私たちは誤解しているかもしれません。大阪大学大学院教授で、老年行動学を専門とする佐藤眞一先生のやさしい文章と、まんが家・北川なつさんのマンガで、老いた親のきもちをわかりやすく解説した『マンガで笑ってほっこり 老いた親のきもちがわかる本』(朝日新聞出版)から、いくつかのアドバイスを紹介します。第4回は「些細なことですぐキレる。昔は違ったのに……」です。

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 一般的には「高齢者は人格者で、落ち着きがあるもの」というイメージがあります。ところが実際は、激しく怒り、暴れてしまうこともしばしばです。以前の自分の親とはまるで違う、別人のように感じてしまうことも少なくないかもしれません。どうして高齢になるとキレることが多くなるのでしょうか?

 ここで知っておきたいのは、人は年をとると理性をつかさどる脳の前頭葉の機能が低下してしまうということです。複数の情報を同時に処理することも難しくなり、周りに気をつかう余裕もなくなります。

 また、身体能力も低下して思うように動作ができなくなったり、現代の世の中になじめなかったりと、うまくいかないことが重なりフラストレーションが溜まることがよくあります。こうしてストレスや我慢などが積み重なり、とうとう限界に達したところへ、タイミング悪くちょっとしたきっかけを与えられると、キレてしまうことになるのです。

 高齢になった親は、自身が老いて様々な能力が衰えていくことをつらく思い、悲しんでいます。そのことを理解し、普段からできるだけストレスが少なくなるよう配慮してあげることが大切です。

【Happyアドバイス】
親がつらく感じていることを我慢せず、話せる雰囲気を作ってあげよう。