「国立に落ちるなんて、家の恥だとママに言われた。自分はバカだから、とにかくママに嫌われないようにしなきゃ」とこぼしてもいた。

 自分ではなく母親の価値観が軸。ゼミのみんなでやる作業があっても、「家の用事があるから帰ります」とサッサと帰ってしまう。ママに言われたことは絶対なのだ。さらに、外弁慶のためその場に母親がいなければあいさつもしない。何か言動を注意されても目を合わさない。つまり、他人とうまくコミュニケーションできないのだ。

 解決方法はあるのだろうか。

「小さいときから自分で決めさせる習慣をつけること。特に思春期は抑えつけないでほしい。もうひとつは、幼少期から良質な睡眠を十分とること。睡眠不足では前頭葉が頑張れないので」(成田さん)

 反抗や主張は自立の第一歩。ばあば(初代)が言ったように、いろいろやってあげることは簡単でわが子の力を信じることのほうが難しい。だが、どんなことでも困難をクリアしたほうが、収穫は大きいに決まっている。ばあば、深いわ。

(文/島沢優子)