過保護を指摘されても「私はカホコにいっぱい愛情を注ぎたいだけなのよ」と抗弁する泉を、初代はやさしく諭す。
「愛するよりも、信じることのほうが難しいのよ」
「大事なのは、その愛に自由があるかどうかよ。カホコから考えることを奪わないでね」
わが子の成長を信じて待つ重さを娘に訴える初代に「ばあば、浸みるよ~」と夫婦して感謝した。
男性の娘は7歳で路線変更できたが、大学にはゾッとするようなリアル・カホコがいるらしい。首都圏にある私立大学の教員はここ数年、新入生のオリエンテーションで学生に呼び掛ける。
「みなさん、履修届けは自分でやるものです!お母さんにやってもらうもんじゃないよ!」
なんと。最近の大学生は、年度初めに行う履修申請を親にやってもらうというのだ。毎年、大学に親からこんな問い合わせ電話が何本も舞い込む。
「あのう、履修届けを書いたんですが、本当に届けられていますか?」とママ。パパも確認してくる。「昨日、息子と一所懸命にやったんですが。大丈夫だったでしょうか?」
どうやら、カホコのみならず、カホ太郎(?)もいるようだ。
どこの大学も、オープンキャンパスだって親と一緒に来ない子のほうが珍しい。説明会の席には、前方に親が座って、後ろに子ども。親がメモ帳に懸命にメモして、子どもは手ぶら。それが当たり前だと言う。入学すればもっと必死。「先生、うちの子、ちゃんと就職させるためには何をさせればいいのか教えてください!」とメモを片手に親がやってくる。
卒業式前。「せっかくだから可愛く着飾って来てね!」とドレス選びに出かける学生達を見送ったら、学生達から翌日「A子、ママ統制に屈す」の報告があった。
色白のA子に他の学生がピンクのドレスを「絶対似合うよ!」勧めたら、それとは対照的な紺色の地味なスーツを手にしたA子はすぐさま母親にラインで両方の写真を送った。すると、すぐさま返信が。そこには「ピンクは絶対NG!紺のスーツにしなさい!」の文字が。「ママが言うから」と紺色地味スーツを購入したのだった。
そんなカホコ話は枚挙に暇がない。