私は、予想通りだと思いました。この麗華さんの発言には、ものすごく大事なポイントが含まれています。

「衣食住」全部に対して言えることですが、何事も自分の意思を持って選ぶ人と、なんとなく「これでいいや」と思って選ぶ人は、願いを引き寄せる力に大きく差がつくものなのです。仕事でも、結果を出す人や、活躍している人は、自分はこうなりたいというビジョンがはっきりしています。私のところにスタイリングの依頼に来られる方も、「もっと出世したい」「一千万円稼ぎたい」「そのために何をしたらいいのか」と、具体的で詳細な目標を掲げ、行動していらっしゃる方は、大抵成功しておられます。また結婚を希望している場合、「こういう人と結婚するのにはどうしたらいいですか」と具体的な質問をしてくださる方が、当然成果を出すのも早いのです。

しぎはら:麗華さんの場合、向こうから来たものや、目の前にある簡単に手に入るもので、“なんとなくこれでいいかな”って考えがちでしょう。でもそれは、相手からも“なんとなくこの人でいいかな”って思われる女になっちゃうの。でも本当は「麗華じゃなきゃダメだ!」っていう人に出会いたい、そんな思いがあるんじゃないかしら?

麗華さん:はい、そうですね。本当はそういう人がもう現れて結婚してると思ってたんだけど、気がついたら30過ぎていて。私のことを心底いいと言ってくれる人と出会いたいんですよね……。

しぎはら:そうしたいなら、思い切って今の流れを変えなきゃいけないわね。

■「なんとなく」の人生をやめにする

 ここからは、いろんな人に当てはまることだと思うのですが、毎日「なんとなく」が口癖になっていたりしませんか? 「なんとなく」ってとっても便利な言葉です。イイことも悪いことも見て見ぬふりをすれば、衝突も避けられるし傷つくこともない。でも、それで心がモヤモヤしたり、隣の芝生が青く見えてばかりいると感じているのならば、一刻も早くやめることをおすすめします。

麗華さん:私、やっぱり今のままでいたくない。ちゃんと家庭に入って、家庭を大事にしたい。そう願ってきて、出会いはたくさんあったはずなのに、なんでそうならなかったのか、明確な理由がわからないんですよ。

しぎはら:今話してる中に大きな理由があると思うわ。ずーっと、「なんとなく、なんとなく」って過ごしていくと、なんとなく人生終わっちゃう。実はそういう人って世の中にたくさんいるんです。でも、今それを変えなきゃって思ったからこうして私のところに来たんでしょう。だとしたら、なんとなくっていうのをまずやめましょうよ。

麗華さん:はい。「なんとなく」をやめたほうがいいというのは、私にもわかります。

しぎはら:まずは「私はこれが欲しい」「これが食べたい」「ここに行きたい」っていう身の回りのことから決めていかないとね。そしてなんとなく結婚したいんじゃなくて、具体的にどんな人と結婚したいのかを考える。麗華さんの場合、真剣に考えるべきは、進行形の不倫よね、これがなんとなく続いている以上、先には進めないわ。

麗華さん:虫がいいのはわかってるけど、新しい人が見つかってから、その人と別れたいと思っていたんだけど、それってダメですか?

 私は、麗華さんがこのまま不倫を続けるなら、結局、泥沼から抜け出せない状況に陥るのは目に見えていると思いました。

■コップの中を空にしないと、新しいものは入れられない

しぎはら:あのね、例えば今コップの中に紅茶が8分目まで入ってて、紅茶以外の美味しいコーヒーを飲んでみたいということにしましょう。ここにコーヒーを入れたら、どんな味かわからなくなっちゃいますよね。コーヒーを味わいたいと思ったら、今ここに入っている紅茶を一回捨てて空にしてからコーヒーを入れない限り、その美味しさはわからないの。混ざってしまったら、何がホントの味かわからなくなる。だから一人の男性と真剣に向き合いたいと思うんだったら……。言ってることわかるわよね?

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