外野でも福留と糸井は、かつては守備の名手であったが、年齢的な問題や故障持ちの選手でもあり、当時の守備力はない。若手の出番があるレフトも、高山や中谷など打力優先の起用で、俊介など守備に定評のある選手の出番はほとんどなくなった。内外野で12球団でも屈指の守備を誇る大和の出場機会が激減しているのが、その象徴と言えそうだ。

 過去10年間のセ・リーグで、リーグワーストの失策数で優勝したのは2011年の中日だけ。この年の中日は、チーム打率も.228とリーグ最低だったが、失策数83はワースト数としては少なく、さらにチーム防御率が2.46と、投手力が突出したチームだった。今季の阪神は、打撃力、投手力ともリーグ上位ではあるが、その力は、多すぎる失策数をカバーできるものなのか。

 2000年以降、2度のリーグ優勝を果たしている阪神だが、優勝監督となった星野仙一氏と岡田彰布氏は、ともに就任2年目、前年4位からの優勝だった。就任1年目の昨季、4位でシーズンを終えた金本監督も、この法則を受け継ぐことができるのか。金本阪神の2年目のカギを握るのは、FA選手や助っ人外国人、若手の台頭ではなく、ディフェンス面にあるのかもしれない。