「浜崎は2000年に突発性内耳障害を患い、08年には『左耳はもう完全に機能していない』と明かした。難聴の影響で歌唱力が落ちたという指摘もあります。女性は年齢が高くなるに従い、キーは下がってくるんです。ただ、声の高さは声帯を伸縮させる筋力で決まるので、声帯の筋肉を鍛えれば、年を取っても高音部分を出すことはある程度できます」

 今後、浜崎は“往年の輝き”を取り戻すことはできるのだろうか? ある音楽情報サイトの編集者はこう指摘する。

「出産などで休養する女性歌手が多い中、浜崎の場合は一時代を築いた後も休まずにひたすら歌ってきた。そこは称賛すべきです。2016年の活動を振り返ると、まずはアリーナツアーで13万人を動員し、かつ和の要素やパフォーマーによるアクロバットなどを取り入れ、エンターテインメントとしてステージの完成度が非常に高くなっている。今年はデビュー19周年を迎え、自身最多の公演数となる60公演というロングツアーも予定している。これを見ただけでも、過去の輝きを取り戻すというか、彼女はまだまだ輝きを失っていない」

 ぽっちゃりになろうが、音程が外れようが、歌い続ける浜崎。良くも悪くも歌姫への“注目度”は下がっていない。(ライター・丸山ひろし)