一方、打線は自慢できる。昨季2冠の主砲・筒香嘉智が不動の4番に座り、1番から桑原将志、梶谷隆幸、ロペス。筒香の後の5番から宮﨑敏郎、倉本寿彦、エリアン(もしくはシリアコ)と並ぶのであろう打線は破壊力がある。筒香に心配は無用なだけに、その前後に座る打者が得点力アップに向けての鍵を握る。乙坂智や山下幸輝、関根大気、さらには春季キャンプでアピールした網谷圭将&細川成也の十代コンビがチャンスを掴めば面白さは倍増する。

 懸念は捕手。昨季ルーキーながら正捕手として活躍した戸柱恭孝が、春季キャンプに左わき腹肉離れで離脱。全治1カ月で3月中旬には戻ってこられそうだが、再び扇の要が揺らぐようでは投手陣にとっても大きなマイナスであり、チーム作りがリセットに近い形になってしまう。主力のケガは禁物。その上で選手個々が前年を上回るパフォーマンスを見せること。それができれば1998年以来の歓喜も不可能ではない。

 今のところ、すべて「絵に描いた」ではあるが、ラミレス監督にはその輪郭がハッキリと見えているはずだ。