(2)じっと座って読みふける「静の読書

 本を読む時に、ただじっと座って読んではいませんか? 読む場所はいつも同じではないですか? このような同じ場所でじっと読む方法を「静の読書」と呼んでいますが、実際に多くの方がこういったマンネリ化した読書をしています。

 たとえば、屋外で本を読む、読む時間帯を変えてみる、友達に本の内容を伝えるなど、本の読み方や読む場所を工夫するだけでも、いつもの読書が効果的な脳トレに変わります。いわば、「動の読書」です。

(3)読むのが苦手と思い込んでいる人の「イヤイヤ読書」

 先日「本が読めなくなった。認知症になってしまったのではないか」と、主婦の方から相談を受けました。よくよく話を聞くと、子育てと親の介護で、新聞を読む時間もない毎日が数年間続いていたといいます。それがある日、美容院で雑誌を開いたところ、文字が全然アタマに入らなくてショックを受けてしまいます。

 文字を読むための脳の回路を長い間使っていないと、こういうことが起きます。しかし、もともと使っていたものなので、また活字を読み始めれば、読めるようになるのです。

 何事もそうですが、イヤイヤ取り組んでも効果的な脳トレにはなりませんから、(2)であげた「動の読書」などで本との縁を結び直してみては、いかがでしょうか。

 たとえば、資格勉強や受験勉強などで「読まなければならない本」がある時にも、動の読書は効果的です。本と主体的にかかわることで脳が活性化しますから、本から得られる情報が格段に増え、理解力や思考力がアップします。