ちなみに、私の「利き脳」は、右脳です。情報が映像であれば、パッと理解することができるのですが、文字情報の処理が苦手です。今では、読書による脳トレを続けてきたおかげでだいぶ左脳を使えるようになりましたが、子供の頃は特に、ひらがな、カタカナのように、それ自体に意味はなく音を構成しているだけの文字は、なかなかアタマに入ってくれませんでした。

 この「利き脳」は読書するときにも大いに関係します。読書が苦手だという人は、左脳が未熟な可能性が高いのです。ただ、そんな脳の「クセ」は変えることができます。

 たとえば、「原稿を読みながら話す」という訓練を積んでいるアナウンサーは、読んだニュースの内容がアタマに残らないといいます。それは、記憶や思考よりも伝達を優先する脳になっているからです。

 実は一般の方でも、このような脳のパターンに陥っている人は少なくありません。急いで読むことを優先させるがために、字面(じづら)だけ追う読書を続けていると、読んでいるわりに何もアタマに残っていない……などということになりかねません。脳トレーニングになる読書にはコツがあるのです。

 あなたも自分の利き脳を知り、脳を強化する読書術を身につけてください。