ソ連に原発にたばこ? 60年前の「丁酉」に何があったのか (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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ソ連に原発にたばこ? 60年前の「丁酉」に何があったのか

連載「あなたの知らない神社仏閣の世界」

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目黒不動尊の水かけ不動。後ろは独鈷の滝

目黒不動尊の水かけ不動。後ろは独鈷の滝

目赤不動尊のお堂(南谷寺境内)

目赤不動尊のお堂(南谷寺境内)

金剛院長崎不動のキャラクター「ナータくん」

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荒川にある袈裟塚耳無不動

荒川にある袈裟塚耳無不動

「歌舞伎十八番 不動」(都立中央図書館特別文庫室所蔵)

「歌舞伎十八番 不動」(都立中央図書館特別文庫室所蔵)

●五色のお不動さま

 團十郎のおかげもあってか、江戸ではお不動さま詣が大変人気となり、成田では遠すぎると、深川に出張場まで設けられた。それが現在門前仲町にある「深川不動堂」である。さらに、関東最古の不動霊場である目黒不動尊も合わせて大人気となり、江戸の中心から遠かったにもかかわらず、道が整備され多くの参詣者を集めた。付近には華やかな門前町が作られ、その様子は数々の錦絵に描かれているが、寺自体のたたずまいはいまもほとんど変わっていない。

 不動人気は、やがて五行思想(万物は5つの元素からすべて成り立つという自然哲学)と結びつき、五色不動という巡拝も生み出した。目黒の名を持つお不動さまが有名だったためか、その後、目白、目赤、目青、目黄が整えられていった(お不動さまの目の色とは関係はない)。なお、目黒と目白の地名は、お不動さまに由来している。

 もっとも、五色不動はいろいろな説とともに各地で広まったため、現在では目黒、目白、目赤の三不動以外については、もともとの寺社が定かではなくなってしまった。

 不動明王の憤怒の様相は、“手に持つ縄でしばってでも人々を正しい道へ導こうと必死になっている姿”であると言われている。面倒見のよいこの仏が、つねに落ち着きのないニワトリなどをイメージしてしまう酉年の守護仏であるということに、なんとなくユーモアを感じてしまうのは私だけだろうか。

 60年前の「丁酉」の年は、ソ連が人類初めての人工衛星・スプートニク1号の打ち上げに成功、日本では東海村に原子炉の火が灯り、日本初のフィルター式たばこ・ホープが発売された。いずれも光り輝く未来への船出だったが、60年後の今では、ソ連は崩壊、原子力もたばこも負のイメージが付きまとう。

 熟した実が、その後腐敗しないよう、お不動さまに見張ってもらえることが、年のはじめの不動めぐりにとって御利益になるのかもしれない。(文・写真:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)

成田山新勝寺/千葉県成田市成田1
成田山東京別院深川不動堂/東京都江東区富岡1-17-13
目黒不動尊(瀧泉寺)/東京都目黒区下目黒3-20-26
目白不動尊(金乗院)/東京都豊島区高田2-12-39
目赤不動尊(南谷寺)/東京都文京区本駒込1-20-20


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鈴子

昭和生まれのライター&編集者。神社仏閣とパワースポットに関するブログ「東京のパワースポットを歩く」(https://tokyopowerspot.com/blog/)が好評。著書に「怨霊退散! TOKYO最強パワースポットを歩く!東東京編/西東京編」(ファミマ・ドット・コム)、「開運ご利益東京・下町散歩 」(Gakken Mook)、「山手線と総武線で「金運」さんぽ!! 」「大江戸線で『縁結び』さんぽ!!」(いずれも新翠舎電子書籍)など。得意ジャンルはほかに欧米を中心とした海外テレビドラマ。ハワイ好き

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