北條聡氏選出のベスト11の中で、今季MVPに輝いたのは中村憲剛(左)。(写真:Getty Images)
北條聡氏選出のベスト11の中で、今季MVPに輝いたのは中村憲剛(左)。(写真:Getty Images)

 誰を選ぶかは、十人十色――。

 J1ベストイレブンのことだ。どの道、オフィシャル(公式)の11人は、12月20日のJリーグアウォーズで発表される。そこで、この項では筆者の独断と偏見による、“極私的”ベストイレブンを選んでみたい。

 テーマは『ハリルジャパンへの挑戦状』である。

 いまや海外組だらけの日本代表を脅かすイレブンだ。今季の得点王を分け合ったレアンドロ(神戸)やピーター・ウタカ(広島)を含め、外国人選手はあえてリストから外している。その点は、ご容赦願いたい。

 まず【GK】は浦和の西川周作。1試合の平均失点が0.82という驚異的な数字もさることながら、攻撃面での働きが他のGKとは別次元。しばしばエリアの外に出てパスワークの始点となった。自らの「足」で浦和の攻撃時間を稼ぎ、結果的に守備機会を減らすという効率の良さ。この「付加価値」は他の追随を許さない。

 次に【DF】は3人。広島の塩谷司、鹿島の昌子源、浦和の槙野智章だ。今季、最も相手FWを悩ませた3人だろう。いずれも、1対1の争いにめっぽう強かった。

 とくに昌子と槙野は出色の出来栄え。相手に前を向かせずに仕留める鋭い寄せは国内随一と言ってもいい。また、オーバーエイジ枠で今夏のリオ五輪に参加した塩谷は攻撃面でも活躍が光り、5得点2アシストをマーク。派手な打ち合いの末に4-2で浦和を破ったファーストステージ第16節のホーム戦での2ゴールは圧巻だった。

 続いて【MF】は4人。まず、アウトサイドには右翼に柏の伊東純也、左翼に横浜FMの齋藤学を並べたい。いずれも独りで局面を打開できる、日本人では数少ないレアなタレントだ。いだてんの伊東は面白いように右サイドを切り裂き、7得点7アシスト。今季の柏は年間王者の鹿島に負けなし(2戦2勝)だが、2-0で勝利したアウェイ戦は伊東の独壇場(1得点1アシスト)だった。齋藤は年間順位で10位に沈んだ横浜FMで孤軍奮闘。チーム総得点の3分の1に相当する18得点(10ゴール8アシスト)に絡んでいる。前を向いてドリブルを始めたら、ほとんど止める手立てがないほどだった。

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