トップ下の家長は昇格1年目で5位に食い込んだ大宮の中でも別格の存在。この人にカネ(ボール)を預ければ、その価値が2倍3倍へとふくれ上がる錬金術師だった。いまや絶滅危惧種の古典的なナンバー10(実際の背番号は41)だが、日本人離れした技術と創造力に、テコでも動かぬ体幹の強さで、堂々とキングの座に君臨した。

 以上の面子を3-4-1-2のシステムにはめ込めばベストイレブンの完成だ。なお、独断でリスト外にした外国人選手の中から、神戸の大躍進を支えたレアンドロをジョーカー(交代の切り札)に――。ついでに新人王はG大阪のボランチを担う、20歳の「狩人」井手口陽介を推そう。そして、最後にこの“極私的”ベストイレブンのキャプテンを任せる中村憲剛を、今季のMVPとたたえたい。アン・オフィシャル(非公式)だからこそ――。(文=サッカージャーナリスト・北條聡)

=以下、ベスト11一覧=
GK
西川周作(浦和)

DF
塩谷司(広島)
昌子源(鹿島)
槙野智章(浦和)

MF
伊東純也(柏)
齋藤学(横浜FM)
中村憲剛(川崎F)
柏木陽介(浦和)
家長昭博(大宮)

FW
金崎夢生(鹿島)
小林悠(川崎F)