筑波山神社の随神門
筑波山神社の随神門
高尾山・天狗像と紅葉
高尾山・天狗像と紅葉

 神社仏閣と日本の四季は相性がいい。春の桜にはじまり、夏の祭り、秋の紅葉、冬の雪景色はいずれも外国からの観光客にとても人気のあるアイコンである。関東近郊もこの季節、紅葉の美しい寺社が人気の観光スポットとなる。都内にもいくつもの美しい景色があるが、せっかくなので少し足を伸ばして有名どころの寺社を訪ねてみるのはいかがだろうか?

●ミシュラン三つ星の天狗の里 紅葉の見頃は11月中旬から

 まずご紹介するのは、ミシュランガイドで三ツ星の観光地に選出されている東京都の高尾山。標高は599メートルだが、広葉樹と針葉樹が入り混じる秋の紅葉の季節は色鮮やかで美しい。ふもとの高尾山口から山頂まで1時間半から2時間ほどなので、景色を楽しみながら比較的楽に登ることが出来る。登山が目的でないなら、リフトやケーブル登り、駅から20分程度の場所にある「高尾山薬王院」までなら、観光気分の普段着で気軽に行くことができる。

 近年は人気が高く、週末は大にぎわいの高尾山だが、昔から天狗の住む山として名高く、山伏たちの修験場として長く信仰されてきた。現代では境内には多くのお堂が建立され、さまざまな願いごとを持った人たちが多く集まるお寺として知られている。

高尾山薬王院
東京都八王子市高尾町2177
京王線 高尾山口駅下車でケーブルカーあるいはエコーリフトにのりかえ

●ライトアップされた紅葉も楽しめる人気の山

 東京都が高尾山なら、神奈川県には大山あり。どちらも手軽なハイキングコースであり、人気のパワースポットだ。創建は紀元前にさかのぼるといわれる阿夫利神社と天平時代に不動明王が祀られた大山寺。2社を合わせて長く神仏混淆の石尊大権現として信仰されてきたが、明治時代に2つの寺社に分離された。江戸時代、富士山信仰と同様に多くの大山講が作られ(富士山の神さまは大山の神さまの娘)、江戸庶民にとっては共に人気のスポットとだった。大山が「あめふり山」とも呼ばれたことから、雨乞い祈願で特に古くから知られていた。落語の「大山詣り」は江戸の庶民が大山に詣でる話だが、江戸時代には「ばくち祈願」に御利益があると大ブームを巻き起こした。

 ミシュランガイドで二ツ星を獲得した神社からの眺望に加え、毎年ライトアップされた紅葉の見事さに注目が集まっている。2016年も11月18日から27日までケーブルカーの夜間運行も行われる予定。

大山阿夫利神社
神奈川県伊勢原市大山12
大山寺
神奈川県伊勢原市大山724
小田急線伊勢原駅からバスで大山ケーブル駅(山麓駅)へ

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鈴子

鈴子

昭和生まれのライター&編集者。神社仏閣とパワースポットに関するブログ「東京のパワースポットを歩く」(https://tokyopowerspot.com/blog/)が好評。著書に「怨霊退散! TOKYO最強パワースポットを歩く!東東京編/西東京編」(ファミマ・ドット・コム)、「開運ご利益東京・下町散歩 」(Gakken Mook)、「山手線と総武線で「金運」さんぽ!! 」「大江戸線で『縁結び』さんぽ!!」(いずれも新翠舎電子書籍)など。得意ジャンルはほかに欧米を中心とした海外テレビドラマ。ハワイ好き

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