残念ながら、サポーターやメディアから「背番号10を起用すべき」という声もさほど上がっておらず、いずれにしても本田がスタメンの座を得るのは厳しいのが現実だ。これまでにないほど、希望の光は小さい。

 9月のW杯予選前に試合勘の欠如に対する懸念を一蹴していた本田だが、このままというわけにもいかない。当然、冬の移籍も選択肢となる。ミランにとっても、多少なりとも移籍金を手にする最後のチャンスだからだ。実際、最近もアメリカ移籍の噂が出回った。現時点では具体性には欠けるが、1月退団の可能性もゼロではないだろう。

 ただ、昨季同様、再び本田にスポットライトが当たるようになる可能性もなくなってはいない。特にここ2試合のミランは内容が芳しくなく、モンテッラ体制への期待感から「低迷した近年と同じ」という落胆へ、ファンやメディアの心理も変わり始めている。ウディネーゼ戦のように短時間ながら最低限のインパクトを残していけば、本田が存在感を高めていくことも考えられる。

 一方で、本田よりは出場機会があるものの、インテルに所属する長友佑都の立場も微妙だ。

次のページ