ロンドン五輪では、当初は厳しい戦いになると言われていた。入江陵介が100m背泳ぎで銅メダルを獲得したが、北島は5位入賞、松田丈志も100mバタフライは予選敗退。自由形はバタフライで出場していた藤井拓郎に託すしかない状況だった。それをはねのけたのは、チームが『北島さんのために』と一丸になる動機があったからとも言える。

 そして、今回のリオデジャネイロ五輪は、ロンドン五輪よりもさらに厳しい戦いになることは予想できた。入江は100m背泳ぎが7位、平泳ぎの小関也朱篤は6位、バタフライの藤井と自由形の中村克は予選敗退。メダリストがひとりも居ないマイナスな状況を打破するような、4年前のような力は、残念だが今の日本代表チームは持ち合わせていなかった。

「世界のレベルが上がっていることを身にしみて実感しました。4年後に向けて、自分に何ができるかを考えて取り組んでいきたいと思います」(小関也朱篤)

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