「準決勝からタイムは上がらず、順位も落としてしまいました。ラスト50mで勝負と思ったが、それよりももっと前半のスピードがないとダメですね。自分の力を出し切ることが、ほかの選手たちよりもできなかった、ということだと思います」

 萩野の予想から外れていたのは、150mの時点での順位とトップ集団の差だ。ラストの50mで勝負するためには、トップとは身体ひとつ以内でターンすることが絶対条件だった。だが記録は1秒以上開き、順位も最後尾。ここからの大逆転は、あまりにも厳しすぎた。

「明日は4×200mリレーがあります。しっかり気持ち切り替えて、日本チームで頑張って良いレースをしたいと思います」

 そう締めくくった萩野は、今回のレースを糧として、リレーでのメダル獲得に向けて必ずや泳ぎと気持ちを修正してくれることだろう。

 大会3日目にして、日本代表チームは難局を迎えたと言えるかもしれない。萩野の200m自由形の7位に始まり、長く日本の背泳ぎを牽引してきた入江陵介は、ロンドン五輪で銅メダルを獲得した100m背泳ぎで53秒42の7位。また、女子200m個人メドレーでは高校生の今井月(いまい・るな)と、日本選手権優勝者の寺村美穂が決勝進出を懸けた準決勝に挑んだが、寺村は決勝進出圏内の8位と0秒16差の9位、今井は15位に終わり、準決勝で敗退してしまった。

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