果たして放映権料の大型契約により、Jリーグにも創設時のようなスター選手が集結するのかどうか。期待はしたいものの、そう簡単にコトは運ばないだろうというのが正直な感想だ。MLSは特別ルールの選手だけでなく、全ての選手がMLSと契約するシステムで、リーグ全体の発展と成長を目指しているため不公平感はない。しかしJリーグの目指す「ビッグクラブ」化は、経営規模の小さいクラブにとって死活問題と懸念する声もある。

 新規契約は2017年からスタートする。それまでに原博実Jリーグ副チェアマンを中心にプロジェクトチームを発足して特別ルールを構築する予定だという。どのような基準で契約金を負担し、何チームが対象になるのか。レンタル移籍も含めて負担額の上限が幾らになるかなどは今後の特別ルールに委ねられる。

 今すぐにメッシやクリスティアーノ・ロナウドといった欧州リーグで活躍するビッグネームの加入は無理にしても、代表経験という実力に加え、集客のためには例えベテランでも知名度の高い選手の加入が望まれる。攻撃的な選手であればメディアへの露出も高くなるので、スウェーデンの長身FWズラタン・イブラヒモビッチ(34歳)などは理想的な候補だろう。先のキリンカップでも日本はボスニア・ヘルツェゴビナのミラン・ジュリッチに手を焼いただけに、長身FWとの対戦経験が増えることで、JのDF陣のレベルアップにつながるような選手の加入を期待したい。

サッカージャーナリスト・六川亨【週刊サッカーダイジェスト・元編集長】)