原口は今年でプロ入り7年目を迎えた。同期入団では筒香嘉智外野手(横浜高-DeNA)長野久義外野手(ホンダ-巨人)増井浩俊投手(東芝-日本ハム)が、推定年俸1億円プレーヤーになっている。一方、推定年俸500万円未満でプロに残っている選手は、原口(480万円)を含め、中村亘佑捕手(広島)小川龍也投手(中日)赤田龍一郎捕手(中日)川原弘之投手(ソフトバンク)の5人だけ。この中で小川は、昨年までの6年間で合計12試合しか登板がなかったが、今季は既に23試合に登板。原口同様、一気にブレークの兆しを見せている。

 1年目から新人王、2年目には首位打者を獲得した長野のようなエリート街道は、華があって格好いい。だが、原口や小川のように苦労を重ね、2軍から這い上がって来た選手が1軍で活躍するのは、心に響く。原口や小川もプロ野球選手という華やかな職業なのだが、どこか庶民の感覚を投影し、重ね合わせることができるような、何とも言えない味が出る。最近では高卒7年目の平井諒投手(ヤクルト)が、育成から支配下に再登録された。原口の活躍は、こうした選手たちにも希望を与えたはず。第2、第3の原口出現を待ち望みたい。

(文=日刊スポーツ・斎藤直樹)