「老い」は治らない? 70歳からの失望しない生き方とは (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「老い」は治らない? 70歳からの失望しない生き方とは

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 日本人の平均寿命は年々延び、男女ともに80歳を超え、いまや世界一の長寿国になりました。一方、健康体で生活を送れる「健康寿命」は男性で71.19歳、女性は74.21歳。男性は晩年の9年以上、女性では12年余りの期間、病気やけがで日常生活に支障が生じているという実態が浮かび上がります(図表1)。平均寿命が延びていても、元気で生活できる期間はそれほど長くないのです。

 個人差はありますが、人間の体は加齢とともに骨や血管がもろくなり、肺活量が減り、筋力も落ちるなどすべての臓器が弱って身体機能が低下します。また耳が聞こえにくい、目が見えにくい、関節が痛い、転びやすいといった高齢者特有の不自由な症状も、身体機能の低下が主な原因です(末尾参照)。

 ベースが弱くなっているわけですから、病気やけがをしやすく、どこか1カ所が悪くなると全身に影響が広がってしまいます。悪い部分だけ治療すればすぐに健康を取り戻すことができていた若いころと違い、回復には時間がかかり、病気やけがで寝込んだことをきっかけに自力で食事を取れなくなったり、足腰が弱ってそのまま寝たきりになったりすることも少なくありません。糖尿病や高血圧症といった一生つきあう病気にかかる人も増えます。いくつも持病を抱えて、何種類も薬を飲んでいる人も多くなります。

 また身体面だけでなく、精神面の健康も無視できません。とくに深刻なのは、老いによる心理的ストレスです。白髪や薄毛、しわ、曲がった腰といった外見の衰えに加え、今までできていたことができなくなり、悲しみや先々の不安が生じます。また周囲から年寄り扱いされたり、虐待を受けたりすることもあります。さらに社会の役に立たなくなってしまったという無力感や孤独感、配偶者や同年代の友人の死など、高齢者の周りには、周囲が思う以上にさまざまなストレスが存在するのです。それまでの人生観や社会的な背景が大きく影響することも、長く生きてきた人ならではの特徴でしょう。


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