アラフォー主婦漫画家が死ぬまでに見たかった世界の絶景<フィンランド編> 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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アラフォー主婦漫画家が死ぬまでに見たかった世界の絶景<フィンランド編>

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東條さち子dot.#朝日新聞出版の本

 徳島県出身の主婦兼漫画家の東條さち子氏が世界一周のひとり旅に出発し、世界各地でまき起こった珍道中をまとめた『主婦を休んで旅に出た よくばり世界一周!』上巻を出版。今回はフィンランドを訪れた時に起こったなんともお恥ずかしいお話。

* * *
 世界一周旅行、インドの次に向かったのは北極圏。そこでの一番の思い出を今回お話ししたいと思います。フィンランドでは、野趣あふれるラップランド料理を楽しんだり、ロヴァニエミというサンタクロース村のある町ではサンタクロースに会いに行ったり、そこから24時間かけてノルウェーのヨーロッパ最北端最北の岬ノールカップにも行きました。

 でもやはりなんと言っても、生まれて初めての体験をしたことでしょうか。北極圏に到達した朝、雪のちらつく極寒の中で。

 実は、数日前から何かお腹がゆるいな~とは思っていたんです。でも私の人生は基本的にお腹を壊すということには無縁でした。お恥ずかしい話ですが、40年生きてきて、今までお腹を下すという経験をしたことがなかったのです。だからその恐ろしさを知らなかった、と言っていいでしょう。そのために体の異変に気がつくのが遅かった……。というか、お腹を下す時って我慢する時間もないものなんですね。あっ! と思ってから5分は無理ですね。相当頑張っても、1分……いや、不意を突かれれば30秒……くらいか。

 原因はというと、インドでした。その数日前に灼熱のインドから極寒のフィンランドに飛行機で移動したばかりだったのです。聞くところによると、インドの下痢は1週間後に来るらしいですよ。時間的にもピッタリ。インドではガンジス川で泳いでも、生水飲んでも何ともなかったので、気にもせず屋台の食べ物でも何でも食べていたんです、元気いっぱいに。

 それがまさか、極寒の地フィンランドでそのツケを払うとは……!

 実は、急激に私のお腹を襲ってきた不調は、40歳にもなってトイレまで間に合わず、往来で漏らしてしまうという大変な事態を引き起こしたのでした。でもラッキーだったのは、そこが先進国だったということでしょうか。もしインドの路上だったら、トイレはすぐ見つからないから、そのまま行き倒れていたに違いありません。人に助けられて連れていかれたトイレが4畳半ぐらいある清潔な個室だったのです。温水の出る洗面台、温水の出るシャワー。ここでジーンズも下着も全て丸洗いさせていただきました。あーもう、天国のようでした。

 フィンランドの絶景、それはこの国の世界最高レベルに綺麗なトイレでした。

 でも本当の地獄はそれからだったのです……。着替えの入った荷物は預けていたものですから、濡れたジーンズをまた履いて、寒風吹きすさぶ中、下半身ビショビショで北極圏を彷徨うことに。これもまたとない経験でした。なぜ寒い中、外にいたのかというと、ホステル(ドミトリーなどがある簡易宿泊所)のチェックインが午後2時からだとかで、入れてもらえなかったんです! トイレは綺麗だけど寒すぎるとか、融通効かないとか、痛し痒し!! ちなみに冒頭に挙げた楽しい思い出は、下痢の恐怖と戦いながらでした。

 フィンランドの他の思い出には物価が高い、ご飯がまずい、人がよそよそしい、などネガティブポイントがいろいろありますが、すべてを凌駕する一番の美点はトイレが綺麗な事!! それが私のフィンランドでの思い出です。


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