「必要以上の謙遜」は自信喪失の原因に

 悪口のつもりではなくとも、多くの日本人がやりがちなのが必要以上の「謙遜」です。

 たとえば「お宅のお子さんは本当に頭が良いですよね」と我が子を褒められた時に「いいえそんなことありません。うちの子はぜんぜんダメで~……」などと答えてしまいます。

 これを横で聞いている子どもはどう感じるでしょうか。「ボクはぜんぜんダメなんだ」と思い込んでしまうのです。

「うちの子は親に似てバカでのろまで」などと、親は謙遜のつもりでも子どもはその言葉を素直に受け止めます。

 親の心ない言葉で子どもの自信が揺らいでしまう事例は非常によく見られます。

 自分のことを謙遜するのは大いに結構ですが、パートナーのこと、子どものこと、身内のことを必要以上に低く扱うのはやめましょう。

 もしも子どもの性格、外見、才能、能力を褒められることがあったら「そうなんです。うちの子はできが良くて親のほうがびっくりしています。トンビがタカを生みました!」と100%肯定しましょう。

 特に幼い子どもに使う言葉は慎重に選んでください。親の何げない一言が子どもの一生のコンプレックスになることもあるのです。

 あのトーマス・エジソンの母親は、学校に馴染めなかったエジソンに「トーマス、お前は天才だよ。トーマスは賢いよ」と言い聞かせ育てた話は有名です。

 子どもの短所を保護し、長所を発見して、良い言葉、良い暗示をかけると子どもは能力を発揮するように育つのです。