(1)クリーニング代

 出社や外回りが減れば、ビジネススーツを着る必要もなくなる。ワイシャツをクリーニングに出している家庭なら、その分が浮くはずだ。

(2)交際費・レジャー費全般

 レジャー施設への外出やイベント参加にかけていたお金は、まるまる不要に。春休みの外出を取り止めた家庭も多いだろうから、そのぶんもかからない。早くもGWの海外旅行をキャンセルした人もいるだろう。悲しいことだが、そこで予定していた出費はかなり減らせる。

(3)飲み会代

 この時期は歓送迎会に花見の宴会など、季節の飲み会が目白押しのはずだが、軒並みなくなりそうだ。通勤がなければ、帰りがけの「ちょっと一杯」も激減するだろう(多くは小遣いからのやりくりだろうから、実際に浮くわけではないかもしれないが)

(4)ルーティンの支出

 通勤途中で何となく習慣的に使っているお金を、筆者は「ルーティン消費」と呼んでいる。たとえば、毎朝コンビニで買っていたコーヒーや、帰りに駅ビルを覗いて買っていたスイーツなど。通勤経路にあるからというだけの理由で消費していたものは、使わなくなる。子どもも同様で、学校帰りに友達と買い物していた消費は消えてしまう。

 なお、休校に伴う措置として不要になった通学定期券の払い戻しに、鉄道各社が対応している(最終登校日以降、定期券の残りの有効期間が1カ月以上ある場合)。コロナ対策のために休みになった塾や習い事があれば、それらの月謝も不要になるだろう。

 こう見ると、増える支出が食費や生活必需品であるのに対し、浮く支出は“不要不急”、つまり「生活うるおい支出」であることがわかる。これらが消えることが、まさに経済の停滞に直結するのだと改めて気が付いた。

●生活防衛に備えてお金の配分を見直す良いチャンスにも

 厄介なのはこの先だ。周囲を見渡しても景気が上向く材料がない。インバウンド期待が消え、国内消費も自粛ムードで冷え込み、業績悪化の予見で解雇や雇い止めのニュースが目立ち始めた。一部を除き我々の収入は上がりそうになく、リモートワークが続けば残業代も期待できない。夏のボーナスも望み薄だ。巣ごもりどころか、冬眠状態に入る可能性もある。厳しい冬に備えて、家計を「巣ごもりシフト」に変えておく必要がありそうだ。

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