昔の電通の「デタラメ社員」に学ぶ、労働時間と生産性の関係 (2/5) 〈ダイヤモンド・オンライン〉|AERA dot. (アエラドット)

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昔の電通の「デタラメ社員」に学ぶ、労働時間と生産性の関係

竹井善昭ダイヤモンド・オンライン
100人以上の電通社員と仕事をしてきたという筆者が語る、本来の電通社員の姿とは?

100人以上の電通社員と仕事をしてきたという筆者が語る、本来の電通社員の姿とは?

●デタラメ社員が許されたかつての日本企業

 政府も企業も、社員を過労死から守るために残業を減らし、働き方を変えようと考えているが、そのためには、企業は電通に学ぶべきだ――それが今回のテーマである。これは冗談でも嫌味でもない。マジでそう考えている。ただし、「いまの電通」ではない。「昔の電通」だ。

 昔の電通は鷹揚だった。たしかに、いま以上に超体育会的な体質だったが、その一方で非常にゆるい会社でもあった。たとえば、毎日夕方にならないと出社しない社員がいた。出社しても、予定を書き込むホワイトボードに「銀座」と書き込んで、すぐに飲みに行ってしまう。平日の真っ昼間に、ホテルのプールで毎日のように泳いでいる社員もいた。築地市場に近いので昼休みに築地に行き、そのまま自宅に帰ってしまう社員もいた。料理が趣味のため、良い魚が手に入ったら自宅で料理するためだ。少なくとも、午前中には絶対会社に来ない社員などザラにいたし、なかには、一流ホテルのスイートルームを借り切り、自分のオフィスにして、会社に出てこない社員もいた。ホントにむちゃくちゃな会社だった。

 しかし、そうしたデタラメ社員たちがクビにもならず、それなりに出世もしていったのは、彼らが抜群な成果をあげていたからだ。毎晩、銀座で飲み歩いていた社員は、大物作家、人気作家と飲み歩くなかで、大きなプロジェクトを企画し、立ち上げていった。料理好きの社員は料理に関する新しいビジネスを立ち上げたし、デタラメ社員のなかには、所属する部署の売上の半分を1人で稼ぎ出していた猛者もいた。もちろん、このようなデタラメ社員ばかりだったわけではない。むしろ、普通にマジメに仕事する社員のほうが大多数だった。しかし、圧倒的な成果を上げていれば、こうしたデタラメ社員も許容する。そんな文化が電通にはあったわけだ。いまは電通も上場し、コンプライアンスもうるさい時代になったので、こうしたデタラメ社員も許容できなくなったが、あの頃の電通はたしかに面白い会社だったと思う。

 世間では誤解されているが、電通という会社は、単なる広告代理店ではない。コミュニケーション会社である。わかりやすく言えば、文化という形のないものに、企業の金を貼り付けてビジネスにしていく。それが電通のビジネスだ。だから、イベントを企画したり、テレビ番組を作ったり、文化人と一緒にプロジェクトを立ち上げたりする。


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