幸福実現党が出なければ自民党はさらに勝っていた「票の割れ」から見る参院選2016レビュー (2/2) 〈ダイヤモンド・オンライン〉|AERA dot. (アエラドット)

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幸福実現党が出なければ自民党はさらに勝っていた「票の割れ」から見る参院選2016レビュー

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坂井豊貴(さかい・とよたか)1975年生まれ。慶應義塾大学経済学部教授。ロチェスター大学Ph.D.(Economics)。横浜市立大学、横浜国立大学、慶應義塾大学の准教授を経て、2014年より現職。人々の意思をよりよく反映させる選挙方式、物を高く売るオークション方式、人と組織を上手く結ぶマッチング方式といった制度設計の研究で、多くの国際業績をあげる。著書には『マーケットデザイン入門』(ミネルヴァ書房)、『社会的選択理論への招待』(日本評論社)といった定番テキスト、および一般書の『マーケットデザイン』(ちくま新書)、『多数決を疑う』(岩波新書、新書大賞2016 4位)などがある。2015年義塾賞

坂井豊貴(さかい・とよたか)
1975年生まれ。慶應義塾大学経済学部教授。
ロチェスター大学Ph.D.(Economics)。横浜市立大学、横浜国立大学、慶應義塾大学の准教授を経て、2014年より現職。人々の意思をよりよく反映させる選挙方式、物を高く売るオークション方式、人と組織を上手く結ぶマッチング方式といった制度設計の研究で、多くの国際業績をあげる。著書には『マーケットデザイン入門』(ミネルヴァ書房)、『社会的選択理論への招待』(日本評論社)といった定番テキスト、および一般書の『マーケットデザイン』(ちくま新書)、『多数決を疑う』(岩波新書、新書大賞2016 4位)などがある。2015年義塾賞

 票の割れの説明は、主要候補が3人のほうが、また政党のカラーが付いているほうが(都知事選では4候補とも後援組織はあるが無所属)、やりやすい。

●前回の参院選で幸福実現党と自民党で票が割れた

 さて、今回の参院選で、票の割れの好例があった。幸福実現党が自民党の票を喰い、4つの一人区で、民進党の勝利に貢献したのだ(産経新聞が7/10にいち早く報道)。結果は次の通りだ(図1)。

 幸福実現党の政策は、民進党よりも、自民党のほうにずっと近い。また幸福実現党の総裁であり幸福の科学グループ創始者である大川隆法氏は、著書『安倍新総理スピリチュアル・インタビュー』のあとがきで「安倍総理よ、強くあれ。論敵との戦いの一部は引き受けるから、未来への扉を開いてほしい」とエールを送っている(※注1)。幸福実現党への投票者の多くは、もし幸福実現党が候補を立てていなかったら、自民党の候補に投票したと考えるのは妥当だろう。

 勝者が1人の選挙だと主要な候補は「2人」に収斂していくというのが、政治学にある「デュヴェルジェの法則」である。自公に対する民共の構図を見ると、いまの日本でその法則は概ね成り立つように思われる。だが、主要な候補が2人でも、接戦のときには「第三の候補」が結果を大きく左右する。つまりデュヴェルジェの法則が概ね成り立ったとしても、それは多数決の選挙で「多数派」が勝つということにはならない。

 せめて多数決に決選投票を付けるとか、より抜本的な代替案として「1位に3点、2位に2点、3位に1点」と配点するボルダルールを使うといった工夫をせねば、投票の結果は票の割れに大きく左右される。このとき多数決は、少数意見の尊重はおろか、多数意見の尊重さえできない。

※注1:大川隆法『安倍新総理スピリチュアル・インタビュー』幸福の科学出版、2013


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