最速の会社「クロスエフェクト」では、心臓の内部も再現した3Dモデルを最短4日で納品する
最速の会社「クロスエフェクト」では、心臓の内部も再現した3Dモデルを最短4日で納品する

 京都に「史上最速」と言われる小さな会社がある。その会社は、「試作」を専門にする会社だ。メーカーからの依頼を受けて、あらゆる「試作品」を製作する。たいていのものは24時間以内にカタチにして納品する。複雑な心臓の模型であっても最短4日でカタチにしてしまう。あらゆるムダを省き、効率を高めることでこのスピードを実現させた。

 創業以来14年間、ひたすら「速さ」を追求してきた「世界一速い会社」とはどうやって仕事をしているのだろうか??ここにその「速さ」の秘密を一挙公開しよう。

●「遅くてもいい仕事」は「やらなくてもいい仕事」

 仕事が遅い人は、なぜ遅いのか?

 答えはシンプルです。「仕事を速くやる理由がない」のです。

 自分の仕事が誰を助け、誰を救い、誰を幸せにするか。それが明確でないから、仕事が遅くても平気なのです。

「遅くてもいい仕事」というのは、もしかしたらやらなくてもいい仕事なのかもしれません。その仕事を「なぜ」やっているのか、一度立ち返ってみるといいでしょう。

 速さを追求するうえで、私は何よりも「使命感」を持つことが大切だと考えます。

 使命感なくしては、どんなに高額で最新の機械を揃えても、速さは追求できません。結局、機械を操作するのは「人」だからです。この仕事は何のために存在するのか、どのように社会に貢献するのか。それをきちんと理解しているでしょうか?

 使命を理解していない会社は、単なる「作業場」と化してしまいます。そこは「仕事場」ではありません。

 仕事と作業は、明確に違います。その違いは、顧客が見えているかどうかです。

 たとえば、商品にシールを1万枚貼るという業務があるとします。このひとつの業務は、作業にも仕事にもなりえます。なぜこの業務をするのか、その意味がわからずに、「面倒だなあ」と思いつつ貼っているのなら作業です。

 一方、「このシールを貼ることでお客様に『この商品は安全だ』と思ってもらえるかもしれない」などと目的を理解していれば、仕事になります。貼り方に工夫をしようという気持ちも起きるかもしれません。

 つまり、その商品がお客さまにどう使われて、どう喜ばれるのかを知っていれば、業務の取り組み方が変わるのです。

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