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直電、3分63円

文・内藤みか

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 先日私の携帯に知らない番号から連絡があった。神田敏晶さんからだったので驚いた。神田さんはかなり前から個人によるインターネット番組の配信を続けている先駆者で、ツイッターもパワフルに使っている。その彼が電話をかけてきたことに驚いた。普段、連絡はいつもメールだったから。

 用件は簡単で「今すごく面白い店にいて、イケメンも大勢いるから遊びにおいでよ!」という誘いだった。当日のことだから直接連絡してくれたのだろう。残念ながら原稿が終わってなくて行けなかったのだけど、そういえば最近、メールで済む用件であってもわざわざ電話をくれる人が多くなっている。

 これはソーシャルネットの数が増えたからだと思う。
 今まではミクシイ、グリーなど日本独自のものだけで用を足していたのが、ツイッター、フェイスブックというグローバルなものがやってきた。今までの和製ネットは廃れていくかと思いきや、私たちの周囲は上手にそれを両用している。そう、日本人が七五三とハロウィンを両方楽しんでいるのと同じだと思う。

 それでも今まで私たちは「主にここにいます」というメインネットがあった。それが最近崩れつつある。さらにグーグルプラスなど新たなネットが到来したこともあり、お目当ての人がどのネットに主眼をおいているかわからなくなってしまったのだ。
 私のツイッターの書き込みも半減してしまった。忙しいせいもあるけれど、アクセスも今までほど頻繁ではない。

 神田さんとの話はさらに続いてお互いの近況交換にもなった。そこで私はまた気がついた。今まではツイッターのフォロー数もそれほど多くはなかったので、神田さんの動きは日々チェックできていた。それなのに今の私は彼を把握できていない。
 これは他の人達もそうで「内藤さんの最近の活動を追いきれなくなった」とぼやいている人が何人もいる。それはチェックするサイトやフォローしている人が増えてしまったせいだろう。

 神田さんと話し終えた時私は、メールは無料だけど、電話は有料だということに気づいた。会話はおそらく3分ほどなので63円の料金がかかったのでは、と推測した。

 私はお金を払う価値のある会話を神田さんにできただろうか。そんなことを気にしてしまう夜だった。


(更新 2011/10/ 6 )


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プロフィール

内藤みか(ないとう・みか)

 小説家、エッセイスト。山梨県出身。デビュー当時「ケータイ小説の女王」の異名をとリ、現在も電子書籍サイトのダウンロードランキング常連。「年下男恋愛」「イケメン」についてのコンテンツを作り続け、「イケメン評論家」としても活動。近年はイケメン恋愛ゲームのシナリオや、芝居の脚本も手がけるように。『夢をかなえるツイッター』などSNSに関する著作も。近著に『誰も教えてくれない Facebook & Twitter 100のルール』。twitterアカウントは @micanaitoh

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