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いい男祭り、3200円。文・内藤みか |

日曜日の昼下がり、「第10回いい男祭り」なるものに出かけた。知り合いのパーソナリティー・沖直実さんが数年前から始めた、イケメン若手タレントばかり10人ほどのトークショーだ。会場は若い女性でぎっしり満員だった。ちなみにチケットは3200円。
この「いい男祭り」回を重ねるごとに熱気が増しているというが、最近、イケメンで集客を狙うケースが本当に増えている。たとえばタレントの島田紳助さんが京都PRのために「新撰組リアン」というグループをプロデュースしたのも記憶に新しい。
近ごろはついに六大学すべてでミスターコンテストが開催されるようにもなった。女性達がステージを見つめて熱い声援と視線を送っている。
そう言う私も、誕生日だというのにイケメンが大勢いるこのイベントに来てしまった。大好物の若くて可愛い男の子をたっぷり見つめて、自分にお祝いしたかったのだ。
イケメンズのトークは聞いてて飽きない。「実は......」とぽろっとここだけの話を男の子が漏らしてくれるのが楽しいのだ。ぶっちゃけ恋バナに目尻を下げまくっていた私なのだけれど......。
翌朝起きると、目尻は下がるどころかむしろ前より切れ上がっており、肌も張っている。肌の色も透明で、頬はほんのりピンクがかっている。昨日また1つ歳をとったはずなのに、鏡の中の私は若返っていた。
そういえばパーソナリティーの沖さんが、イベントの時に何度も繰り返していた。「イケメンを見ているとお肌がツルツルになっちゃう! みなさん、今日はたっぷりコラーゲンを補給してください!」
その言葉に会場はどっと湧いていたのだけれど、本当に効果があったようだ。もしかしたら「イケメンと目が合うかもしれない!」という緊張感が肌をピンとさせてくれたのだろうか。瞳もうるうるしていて、私はまるで恋でもしている乙女のような華やいだ表情をしている。
若くて可愛い男の子には、回春効果がある。女達はそのことに薄々気づいているのではないだろうか。だからこそイケメンイベントを観覧する女性も増えているのかもしれない。
私は残念ながら今は恋人がいない。でもイケメンを見るだけで疑似恋愛気分に陥ることが可能なのだ。だからきっとまたイケメンを眺めに行き、そして周囲に「えっ、中学生のお子さんがいるようには見えな?い!」と言われてほくそ笑むのだろう。
いい男祭り
(更新 2010/2/ 4 )

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プロフィール
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内藤みか(ないとう・みか) 小説家、エッセイスト。山梨県出身。デビュー当時「ケータイ小説の女王」の異名をとリ、現在も電子書籍サイトのダウンロードランキング常連。「年下男恋愛」「イケメン」についてのコンテンツを作り続け、「イケメン評論家」としても活動。近年はイケメン恋愛ゲームのシナリオや、芝居の脚本も手がけるように。『夢をかなえるツイッター』などSNSに関する著作も。近著に『誰も教えてくれない Facebook & Twitter 100のルール』。twitterアカウントは @micanaitoh |