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大検挑戦、数千円。

文・内藤みか

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 最近息子が勉強している! 机に向かうのは数学の問題を解く時だけだったのに、なんと英語や歴史に励んでいるので、親としては「まあ♪ お夜食でも作ってあげようかしら」という気持ちになる。
 ちなみに何のために頑張っているかというと、決して中学の期末テストのためではない。なんと俗にいう大検(高卒認定試験)のためなのである。
 息子はこの秋、担任教師と揉めて、あわや不登校、というところまで気が滅入っていた。その時に数学の先達の学生時代について調べ、担当教官にうとまれたり、学校に行かず独学した人がかなりの確率でいることに気づいたという。そして自分もまたその宿命を負ったひとりであるかもしれないことを。だから自衛のために、万が一高校中退することになってもいいように高卒認定を受けておこうということらしい。とても賢いやりかただと思う。
 ちなみにこの高卒認定、高校1年にならないと受けることができない。息子は今中学2年だから2年の間がある。
 そんな先のことをなぜ今勉強しているかというと、科目免除を狙っているのだ。試験は9科目なのだが、そのうちの4科目は検定を持っていれば免除になる。すでに数学検定2級を持つ息子は数学は受けなくていい。この他に英語と日本史と世界史の検定を中学のうちに取得しようと燃えているのだ。検定費用は参考書代を入れても数千円なのでママの懐も安心である。
 中学のうちにこれらの指定検定を取っておけば、高校に入ってから残り5科目の試験にパスすれば高卒認定を受けられる。これはかなり気持ち的にもラクだろう。
 私は息子に「もし高校中退したらアルバイトしなさいね」と言った。家にこもられたらたまらないからだ。
「そうだねお金稼ごうかな」
 息子もそううなずいた。少しは骨があるじゃないかとうれしく思っていたら数日後、私のパソコンをいじって株価を研究していた。バイトするより投資したいとのこと。そういえば今年のお年玉も株を買って倍値ちかくになっていたっけ。 
「あ?あ、投資家になりたいな。あっでも元手がないや。どうしよう」
「だっ、だから働きなさいっ!」
 何を目指そうと彼の勝手だけれど汗水たらして賃金を得る経験は一度はしてもらいたい。それなのに息子は今日も勉強のかたわら、投資家ウォーレン・バフェットの伝記漫画を読みふけっている......。


(更新 2009/12/10 )


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内藤みか(ないとう・みか)

 小説家、エッセイスト。山梨県出身。デビュー当時「ケータイ小説の女王」の異名をとリ、現在も電子書籍サイトのダウンロードランキング常連。「年下男恋愛」「イケメン」についてのコンテンツを作り続け、「イケメン評論家」としても活動。近年はイケメン恋愛ゲームのシナリオや、芝居の脚本も手がけるように。『夢をかなえるツイッター』などSNSに関する著作も。近著に『誰も教えてくれない Facebook & Twitter 100のルール』。twitterアカウントは @micanaitoh

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