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メガネ男子カフェ、1200円。文・内藤みか |

下北沢に1日限定でメガネ男子カフェができると聞いたので、もちろん行ってみた。 店員さんはメガネ男子ばかりズラリ7人ほど。温かな日の光にレンズがキラリと光り、まぶしいくらいだった。
聞いてみるとなんと彼らはボランティア、つまり無報酬なのだという。普段はサラリーマンなどをしている彼らは自ら志願してこの限定カフェに働きに来たそうだ。
私はメニューを見た。
レンズ豆のカレーがある。なるほど、メガネカフェだから、レンズ豆にしたのだろう。デザートのロールケーキは、わざと2つに切って横に並べて、これもまたメガネを表現している。
執事喫茶やスーツカフェなどのコンセプトカフェがこの2年ほどでかなり増えてきた。素敵な格好の男性にお茶を入れてもらいたい、という女性が多いのはわかるけれど「僕を使ってください!」という男性も急増していることに驚かされる。先日などギャルソンカフェがニュースに取り上げられた途端、1日で30人もの男性が「働きたいんですが」と電話をかけてきたという。
ホストクラブのホストと比べると、コンセプトカフェでの仕事は稼げるとは言いがたい。それでも希望者が後を絶たないのは、
「誰かに見られたい」
という淡い欲求があるからかもしれない。そして彼らはおしゃべりも好きだ。カフェでもメガネへのこだわり(彼らはメガネを複数持っている)を、皆さん熱く語ってくれた。
こういうタイプの男性達は、今まではいなかった。それだけおしゃれ好きな男子が増えたということなのだろう。自分を磨いたら誰だって大勢の人に見られたくなるものだから。
これからもこうしたコンセプトカフェが増えていくのは間違いない。お会計は1万円以下なのだから、ホストクラブよりずっと気軽に楽しむことができるし、メガネや男子校などテーマ性のある店づくりをしているので、一人で来店しても会話が弾みやすいのがいい。
コンセプトが絞られていれば絞られているだけこのタイプの店は面白い。来年あたり「ぽっちゃり男子カフェ」とか「白衣男子カフェ」が出るんじゃないかと密かに期待している私なのだった。
ちなみに150円のポストカードを買うと、メガネ男子とツーショット撮影ができる。私が喜んで買ったのは、書くまでもない。
(更新 2009/11/19 )

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プロフィール
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内藤みか(ないとう・みか) 小説家、エッセイスト。山梨県出身。デビュー当時「ケータイ小説の女王」の異名をとリ、現在も電子書籍サイトのダウンロードランキング常連。「年下男恋愛」「イケメン」についてのコンテンツを作り続け、「イケメン評論家」としても活動。近年はイケメン恋愛ゲームのシナリオや、芝居の脚本も手がけるように。『夢をかなえるツイッター』などSNSに関する著作も。近著に『誰も教えてくれない Facebook & Twitter 100のルール』。twitterアカウントは @micanaitoh |