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英語逆輸入、34.9ドル。

文・内藤みか

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最近息子がゲームにハマりすぎている。勉強もそこそこに勇者になって魔王を倒したりと仮想世界に浸っていて、母としては少々心配だ。

息子は頭脳をゲームに注ぎ、モンスターの名前や呪文、アイテム、町の名前などを、すべて暗記している。攻略本は読み込んだせいでボロボロだ。

まったくちっとも英単語は覚えないで、ゲーム用語ばっかり! と文句を言いたくなって、ふと思いついた。

そうだ、ゲームで勉強させれば一挙両得なのだ。そんな私がやらせたのは、学習ソフトではない。

今や日本のゲームソフトは世界に輸出されている。私は息子が好むRPGソフトの英語版を逆輸入してみたのだ。

しかし中1の息子の実力では英語のRPGは早い気もしたので、まずは英語のゲーム攻略本を与えてみた。かなり分厚く文字量も多く、息子は「ウヘー」とため息をついた。それでもどうしてもそのゲームに興味があるらしく、辞書を片手に格闘し始めた。

すぐに投げ出すと思っていた。なのに息子はひと月とかからぬうちにすべてのアイテムや呪文の英語表記を覚え、自在に使えるようになっていた。好きなことには根気が続くのだなと感心しつつ、いよいよ英語版ソフトを手渡した。画面に出てくる文字は、オープニングからすべて英語だ。 息子は今度は「ウヘー」も言わず、きびきびとゲームに取りかかった。そして拾ったアイテムを「こん棒だ」「鋼(はがね)の鎧(よろい)だ」などと素早く読み取っているではないか。

「大丈夫なの?」

「なんとかわかるよ。あ、西に行けって言われた」

ゲームをしたいという息子の一念は、ついに言語の壁をも超えたのだ。いいじゃないの、これならゲームしながら英語学習しているわけだから、ママは構わなくてよ。

そのうち息子は「回復の呪文を唱えた」「毒におかされてしまった」などの英文がスラスラと口をついて出るようになった。中学でまだ習ってない現在完了形も入っているのだからスゴイ。

ひょっとして、と英検3級用の単語チェックをさせてみた。「種か、seedだな」「鋼鉄はsteelだよ」とボキャブラリーがかなり増えていた。ゲームの中で繰り返し出てくるうちに、覚えてしまったのだ。

ここまで効果があるとは思わなかったので、私も満面の笑みである。ゲームと攻略本合わせて送料込み数千円以上の価値は絶対あった。これからもゲームは英語でやらせようっと♪


(更新 2009/2/25 )


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プロフィール

内藤みか(ないとう・みか)

 小説家、エッセイスト。山梨県出身。デビュー当時「ケータイ小説の女王」の異名をとリ、現在も電子書籍サイトのダウンロードランキング常連。「年下男恋愛」「イケメン」についてのコンテンツを作り続け、「イケメン評論家」としても活動。近年はイケメン恋愛ゲームのシナリオや、芝居の脚本も手がけるように。『夢をかなえるツイッター』などSNSに関する著作も。近著に『誰も教えてくれない Facebook & Twitter 100のルール』。twitterアカウントは @micanaitoh

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