第1370回 猫じゃらしが私をだめにする 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1370回 猫じゃらしが私をだめにする

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みいちゃん(佐藤さん提供)

みいちゃん(佐藤さん提供)

 私はみいちゃん(写真)。1歳の女の子。黒と茶のしま模様がやわらかく混ざり、胸元と手足の先は白くて、自分で言うのもなんだけど、美猫だと思うのよ。

 昔はどこか倉庫みたいなところで、「あの猫」「この猫」と呼ばれていたような気がするわ。「あの猫をどうにかしろ」「この猫を捨ててこい」ってね。

 小さい頃のことはほとんど記憶がないけど、それでもお母さんや兄弟たちと一緒にいて、ネズミの獲り方なんかも教わったんじゃないかしら。だって、動くものを見るとつい追いかけたくなってしまうもの。

 私を「あの猫」呼ばわりする人間に捕まって捨てられた時は怖かった。

 エサをくれる人間が現れたけど、その人間にも捕まって裏切られた気分だったわ。そして今の家に連れてこられた。だれが人間の言いなりになるもんですか。

 私を閉じ込めた部屋中を逃げて隠れて、猫のプライドにかけて人前には姿を見せなかったの。でもちょっとした油断でまた捕まえられて、今度は居間と呼ばれる部屋に連れていかれた。

 そこには大人の猫と私より小さい子猫がいたの。大人の猫は目と目を合わさない限り怒らなかったし、子猫とは仲良しになったのよ。

 人間はと言えば、いつも居間にいて2匹の猫の言いなり。ニャーと鳴けば特別なおいしいごはんをくれるし、なでて抱っこしてくれるし、遊んでくれるし……。

 それを見て私も思い切ってニャーと鳴いてみたけど、それが限界。目が合った途端、一目散に逃げてしまった。やっぱりだめよ、人間は。

 だけど、猫じゃらしのパタパタという音や動きにはあらがえない。子猫と一緒に跳んではねて、我を忘れて遊んでしまう。プライドが何よ。

 今日も猫じゃらしが私をだめにするんだわ。

(佐藤昌子さん 秋田県/65歳/無職)

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(更新 2020/4/20 )


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