第1368回 晩秋の八甲田で遭遇したイクラ 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1368回 晩秋の八甲田で遭遇したイクラ

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イクラ(小友さん提供)

イクラ(小友さん提供)

 晩秋の八甲田・蔦沼は、日本一の紅葉のスポットとして全国からカメラマンが集う。

 昨年、家族で紅葉狩りと温泉を満喫した帰路、沢のU字溝をチョロチョロ走る子猫と遭遇した。何とか保護をと思ったが、その日はそのまま帰宅した。

 紅葉狩りの楽しい気分も冷め、夕食も進まない。八甲田は降雪のため、11月下旬からは幹線道路以外、封鎖される。捕獲するなら早いほうが……。

 幸い私はリタイアして自由な身。翌日から朝と夕方、愛車で山中に。情報を収集するうち、行動範囲がわかり、マタタビやエサ、捕獲器を置いた。4日目、草むらから子猫が顔を出した。

 急いでエサを与えたが、警戒して近寄らない。しかし、大声で呼ぶと走って来て、恐る恐るだが手からエサを取る。平らげた後、キタキツネのようにヒョイと跳びはね野ネズミを捕るしぐさは野生そのものだった。

 日に日に白く変貌する八甲田山頂を気にしながらエサをやり2週間、満を持して捕獲作戦へ。特製の捕獲網を地面に置き、もみ殻で覆いカムフラージュ。エサに気を取られているすきに、一気に網をあげるとポケット部分にスッポリ。

 飼い猫だったらしく、激しく一暴れしたものの、車中では穏やかに。帰宅してすぐに「イクラ」(写真)と命名し、「ゴマ」「ゆず」「ウニ」の先輩猫3匹と対面。八甲田の銀嶺望める2階の空室に落ち着いた。

 今夜からは寒さも空腹も、何より熊の遠ぼえにおびえることもない。

 検診で雄、1歳くらいと判明した。野性味が抜けないのか24時間動き回り、家族の寝不足もピークだ。

 スキーのほか、一年中お世話になっている八甲田。「イクラ」がわが家でのんびりしているからこそ、山も楽しめる。

(小友久司さん/青森県/72歳/無職)

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(更新 2020/4/ 3 )


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