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『侍戦隊シンケンジャー』が終わってしまいました。
長いスーパー戦隊シリーズの歴史の中でも、屈指の面白さでした。
毎週楽しみにしていたので、先週から新しいシリーズが始まったのが逆に寂しさを増してしまいます。
『シンケンジャー』一年間のシリーズの大半の脚本を書いたのは、小林靖子さん。
『仮面ライダー電王』で大ヒットを飛ばしたのは記憶に新しいところですが、またひとつ傑作を生み出しました。
スーパー戦隊シリーズと言えば『秘密戦隊ゴレンジャー』から続く、特撮ヒーロー番組の代名詞。
1975年スタートだからもう35年を超える長寿番組。男性なら子供の時に、一度は夢中になって見たことがあるでしょう。
僕が子供の頃は、赤と言えば女の子の色でしたが、「レッド」と言えばヒーローの代名詞になったのも、このシリーズのおかげですね。
『ゴレンジャー』が始まった時、僕はもう高校生でしたが、主人公のヒーローが赤色だったのに驚いた記憶があります。女の子の色だと思ってた赤色が男の子の番組のヒーローになり得るんだと、軽く衝撃でした。
のちのち「子供は赤色の玩具が好きだから、スポンサーの要請でそうなった」
という噂を聞いたのですが、それが事実かどうかは未だによくわかりません。
とにかく、これだけ長く続いているので、毎回、趣向を凝らす。
『シンケンジャー』は、「侍戦隊」という冠がついているように、時代劇や歌舞伎の趣向を取り入れた作品でした。
リーダーは「殿様」と呼ばれ、他のメンバーはそれを支える家臣である「侍」たち。
永遠に絶えない悪と戦うために、彼らは「侍」としての血筋を守り、この世を守るためになら自分達の命を賭しても使命を全うする。
この旧時代的な血と掟に対して、主人公たちは反撥したり悩んだりしながら成長していきます。
中空に筆で文字を書いて変身したり、黒子が陣幕を張ってその前で主人公達が名乗りをあげたりという奇抜な趣向と、主人公チームの心情を掘り下げた丁寧なキャラ描写のバランスがよく、番組開始当初から「今年の戦隊は面白いなあ」と感心していたのですが、ラスト二ヶ月の展開は、あっと驚くどんでん返しが仕込まれていました。 そこまでのいくつかの違和感があった描写が全て伏線だったという驚くべき構成力。
しかもそのどんでん返しはただ驚かせるための設定ではなく、その衝撃の事実を乗り越えることで、主人公達が本当に自分達の絆を確認するという、大河ドラマとしてのクライマックスのためにも不可欠な要素だったのです。
いや、実によくできてる。ほとほと感心しました。
DVDでも出ているので、詳しいネタバレはしません。
ご興味のある方は、是非DVDでご覧になって下さい。
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