<ライブレポート>フレンズ、ワンマン・ライヴ・ツアー【UNO!】で見せた「決意表明」 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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<ライブレポート>フレンズ、ワンマン・ライヴ・ツアー【UNO!】で見せた「決意表明」

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<ライブレポート>フレンズ、ワンマン・ライヴ・ツアー【UNO!】で見せた「決意表明」

<ライブレポート>フレンズ、ワンマン・ライヴ・ツアー【UNO!】で見せた「決意表明」


 2021年3月にニューシングル『約束』をリリースしたフレンズが、ワンマン・ライヴ・ツアー【UNO!】を東京と名古屋にて開催。6月5日には東京・渋谷のduo MUSIC EXCHANGEにて最終公演を行った。この日は第1部と第2部の2回公演となり、筆者は16時からスタートした第1部公演を見ることができた。

 定刻になり、The Go! Teamの「The Wrath Of Marcie」が大音量で流れる中、メンバーがステージに現れたとたん会場は2階席まで総立ちに。まだ演奏も始まっていないのに、すでにハンドクラップも巻き起こっている。【シチュエーション・コメディー season4】以来、約1年5ヶ月ぶりのワンマンツアーとなる本公演をファンがどれだけ待ちわびていたか、この沸き立つ熱気からもひしひしと伝わってくる。そしてまずは2017年にリリースされた、ファースト・アルバム『ベビー誕生!』の冒頭を飾る「ビビビ」からこの日のライブはスタート。心地よいミドルテンポのリズムと、ちょっと切ないメロディのマリアージュが琴線を“ビビビ”と揺らし、サビの“恋じゃない? Yeah!”という掛け合いパートでは、マスクをしたオーディエンスが心の中で、メンバーとともにシンガロングする。

 続く「夜にダンス」は、えみそん(Vo)のファルセット・ヴォイスと韻を踏んだリリック、スタイリッシュなコードワークが印象的な、彼らの初期代表曲。サビではえみそんと三浦太郎(Gt, Vo)のフレンドリーな掛け合いヴォーカルが、じわじわと会場の空気を温めていく。曲中、えみそんがバスガイド調(?)のメンバー紹介で、それぞれの「出身地」と「好きなもの」を挙げていく微笑ましい一幕もあった。

 2019年のセカンドプチアルバム『HEARTS GIRL』から披露された「take a chance」では、三浦がロングトーンのディストーション・ギターでイントロのフレーズを音源よりもエモーショナルに再現。関口塁(Dr,Cho)の刻むタイトなリズムの上で、長島涼平(Ba,Cho)のベースも時おり歪みを加えて応戦する。“何回だってこえていこうぜ 躓いて転んだってオーライ”と歌われる歌詞は、今年4月にバンドの司令塔だったひろせひろせ(MC/Key)の脱退という、バンド最大の試練を乗り越えこのステージに立った4人(+サポート鍵盤奏者のゴメス)の覚悟を歌っているようで、思わず胸が熱くなった。

 ライブ中盤には、ひかりTVオリジナルドラマ『取り立て屋ハニーズ』の主題歌に抜擢された新曲「急上昇あたしの人生」を披露。ちょっとオリエンタルかつ抑揚たっぷりのメロディと、意表を突く転調が真夏にぴったりのポップチューンだ。シンコペーションの効いたサンバのリズムに合わせてハンドクラップが自然発生的に巻き起こり、フロアは一気にお祭り気分。

 長島のスラップベースがファンキーな「DIVER」、ベースラインとユニゾンするスキャットが印象的な「NIGHT TOWN」を経て、今年1月にリリースされたシングル「約束」へ。TVアニメ『ホリミヤ』のエンディングテーマとなるこの曲は、ピアノを基調としたスローかつ力強いアンサンブルで、“近くにいるから見えないものほど 大事にするよ 言葉にできないんだけどね”と、コロナ禍で多くの人が気づいた気持ちを切々と歌う。カウンターメロディを弾く長島のベースラインも、えみそんの歌を一層際立たせる。

 トロピカルなバンド・アンサンブルの上で、えみそんの切なく叙情的なボーカルと三浦の軽快なラップが交差する「常夏ヴァカンス」を披露した後、その歌詞を引用しながら「後半戦はじめよう、もっと盛り上がってもいいかな? いいんじゃない?」とえみそんが叫び、続く楽曲「いいんじゃない?」へとなだれ込む。ホーンサウンドをフィーチャーした高揚感あふれるソウルミュージックにオーディエンスのボルテージは急上昇。間髪入れず「iをyou」で会場をあたたかなグルーヴに包み込んだ……と思いきや、エンディングではなぜかザ・クラッシュ(70年代ロンドンのパンクバンド)の「Tommy Gun」をオマージュしたと思しきキメを繰り出すなど、彼ららしい遊び心もアレンジに忍ばせていた。

 さらに、この日リリースが発表されたセカンド・フルアルバム『SOLAR』に収録予定の新曲「東京今夜」、『HEARTS GIRL』(2019年)に収録されたシティポップの名曲「地球を越えても」とたたみかけ、本編最後を8ビートのミドルチューン「ベッドサイドミュージック」で締めくくったフレンズ。「会場の皆さんは声を出すことができないので」(えみそん)と、最後に1曲、アンコールとして「街」を演奏した。

 “変わるよ 街は 夕暮れに包まれて それでも僕らは進む 進む 進む”と繰り返して終わるこの曲「街」を最後に持ってきたのも、コロナ禍で様変わりしてしまったこの世界で、コアメンバーを失ったバンドがそれでも前へ進むことの、ある種の「決意表明」のようにも聞こえたのだった。


Text by 黒田隆憲
カメラマン:TAKAHIRO TAKINAMI


◎公演情報
ワンマン・ライヴ・ツアー【UNO!】最終公演 第1部
2021年6月5日(土)
東京・渋谷 duo MUSIC EXCHANGE

<セットリスト>
1. ビビビ
2. 夜にダンス
3. take a chance
4. 雨のフライデー
5. 急上昇あたしの人生
6. DIVER
7. NIGHT TOWN
8. 約束
9. 常夏ヴァカンス
10. いいんじゃない?
11. iをyou
12. 東京今夜
13. 地球を越えても
14. ベッドサイドミュージック
15. 街


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