<ライブレポート>パノラマパナマタウン、オーディエンスと作り上げたPPT流の人間讃歌 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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<ライブレポート>パノラマパナマタウン、オーディエンスと作り上げたPPT流の人間讃歌

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Billboard JAPAN
<ライブレポート>パノラマパナマタウン、オーディエンスと作り上げたPPT流の人間讃歌

<ライブレポート>パノラマパナマタウン、オーディエンスと作り上げたPPT流の人間讃歌


 パノラマパナマタウンが、昨年11月よりスタートした全国ツアー【銀河探索TOUR 2019-2020】の東京公演を、1月19日東京・恵比寿LIQUIDROOMにて開催した。ツアーファイナルであるこの日のライブは、岩渕想太(Vo./Gt.)の声帯ポリープ切除手術によるライブ活動休止前最後のライブでもあった。しかし、だからこそ、この日彼らが放った音楽と言葉は、前向きなエネルギーで満ち溢れていた。

 未知の未来へ飛び込もうと誘う「Dive to Mars」からライブはスタート。「今までで一番最高の歌、最高の演奏して帰るぜ!」(岩渕)という宣言から、コール&レスポンスに持ち込み、「マジカルケミカル」へ突入すると、フロアは早くも多くの人の腕で埋め尽くされる。

 自分のペースで生きることの難しさや疑問を歌った「ずっとマイペース」や、頭の中に巡る複雑な思いを綴った「目立ちたくないMIND」など、パノラマパナマタウンが歌い鳴らす矛盾や葛藤は、誰しも一度はぶつかったことがあるようなことばかり。だから彼らのライブは、ただエネルギーを消費するだけに留まらない。一人一人、自分のストーリーを(意識的または無意識的に)重ねるからこそ、ステージもフロアも関係なく、しかし一つに収まることもなく、それぞれがそれぞれのやり方で熱狂を生み出せるのだ。

 ポリープ切除手術を3日後に控えた岩渕による入院トークを挟み、迎えた中盤戦では、4人のメンバーの個性が際立つ楽曲が続いた。タノアキヒコ(Ba.)の地を這うようなベースリフが印象的な「月の裏側」から、浪越康平(Gt.)のギターが唸りまくった「真夜中の虹」へ。「パン屋の帰り」では、岩渕がスタンドマイクでブルージーな歌唱を繰り出し、「エイリアン」では、田村夢希(Dr.)の躍動感溢れるビートがフロアを大きく揺らす。4人が要所要所で見せるユニークなフレーズやエモーショナルな表情は、楽曲の持つメッセージ性をさらに強固なものにしていく。

 MCで岩渕は、ツアーを通して感じたオーディエンスへの感謝の気持ちと、普段の生活の中で、自分の意思を突き通すことができない不甲斐なさを語る。そして、それらをすべて発散できるライブという空間への思いを、フリースタイルラップで表現する。〈不敵な笑みを浮かべてた昔の自分とはもう違え 一人一人に向き合いたい 俺たちと君らはイーブン〉〈ライブってのは自己啓発じゃねえ 明確な意思もなんもねえ でも全部さらけ出せるのがこの場所〉

 パンチラインの連続に会場が温まったところで、すぐさま「リバティーリバティー」になだれ込むと、ライブはクライマックスへと一気に加速する。「めちゃめちゃ生きてる」「MOMO」「フカンショウ」「GINGAKEI」と矢継ぎ早に繰り出されるキラーチューンの連続に、会場はまたとない熱気に包まれる。そこにいる誰もが無我夢中に歌い、踊り、叫ぶ。その光景そのものが、パノラマパナマタウンの歌う"人間讃歌"を体現しているようだった。

 「ロールプレイング」「俺ism」「いい趣味してるね」とパワフルな楽曲が続いたアンコール。完全燃焼のステージに、フロアからは歓声に次ぐ歓声が巻き起こり、メンバー退場後もダブルアンコールを期待する拍手と”PPTコール”が鳴り止まなかった。ステージに一人戻ってきた岩渕は、「もう曲ないの!」とオーディエンスを説得。しかし、本人も名残惜しそうにしばらく談笑を交わし、最後は「『マジかこのバンド!』ってくらいかっこよくなって帰ってきたいと思うんで、これからもパノラマパナマタウンをよろしくお願いします!」と、笑顔でステージを去っていった。

 そして1月23日には、岩渕のポリープ切除手術が無事終了したことがバンド公式ツイッターにてアナウンスされた。喉の調子が完全に戻るまではもう少し時間がかかるとのことだが、今はその日を楽しみに待ち続けたい。

Photo:nishinaga “saicho” isao / 上原 俊
Text:Mika Fuchii


◎公演情報
【銀河探索TOUR 2019-2020】
2020年1月19日(日)
東京・恵比寿LIQUIDROOM
<セットリスト>
1. Dive to Mars
2. 世界最後になる歌は
3. マジカルケミカル
4. ずっとマイペース
5. パノラマパナマタウンのテーマ
6. 寝正月
7. 目立ちたくないMIND
8. SHINKAICHI
9. Chopstick Bad!!!
10. 月の裏側
11. 真夜中の虹
12. パン屋の帰り
13. エイリアン
14. リバティーリバティー
15. めちゃめちゃ生きてる
16. MOMO
17. フカンショウ
18. GINGAKEI
EN1. ロールプレイング
EN2. 俺ism
EN3. いい趣味してるね


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