ゲンズブール生誕90年『スローガン』制作50年記念でリバイバル上映決定
ゲンズブール生誕90年『スローガン』制作50年記念でリバイバル上映決定

 セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンのロマンスを描いた映画『スローガン』が、制作50年を記念してリバイバル上映することが決定した。

 40歳の鬼才CM監督セルジュ(ゲンズブール)は、ヴェネチアのCM映画祭で最高賞を獲得。ホテルのエレベータで23歳の英国美女エヴリン(バーキン)に出会う。彼は激しく一目惚れしてしまい、妊娠中の魅力的な妻フランソワと離婚しようとする。しかし、飽くことなき燃えるような情熱をもつ若い女性を恋人にするとそれはそれでいろいろな問題が沸き起こる。

 この2人のロマンスは、時を超えた20世紀の伝説となり、その伝説の始まりを集約した大ヒット映画が、1969年公開の本作『スローガン』だ。

 映画のスタイルは、リチャード・レスターが監督したビートルズ映画『ビートルズがやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!』『ヘルプ!4人はアイドル』、60年代に日本でも人気を博したメル・ブルックス原案のテレビドラマ『それ行けスマート』、あるいは『オースティン・パワーズ』などを想起させるかもしれない。

 しかし、2人がこの映画でほんとうに恋に落ちたという事実は、それらの作品と違うとてつもない現実感を感じさせる。 ゲンズブールの音楽が映画全編を彩り、パリ、ヴェネツィア、その他のエキゾチックなロケ地の色彩は鮮やかで強烈、バーキンのファッションもまさに「68年風」だ。

 監督ピエール・グランブラは、ヌーヴェル・ヴァーグの交友の中で映画を撮り始め、その後広告・TVの世界で大立者となった人物。そんなこともあって広告業界を温かくユーモアたっぷりで描いている。

 日本での初公開は製作から27年目の1995年、そしてさらに23年を経た2018年は、映画製作からちょうど半世紀、ゲンズブール生誕90年という節目の年でもある。今の文化、風俗の大きな指標となる1968-69年という特別な時代のアイコンとなったカップルが生まれた本作を、日仏国交160年記念として3月24日より再公開する。

◎公開情報
2018年3月24日(土)より
新宿K’s cinemaほかにて全国順次公開
(c)1969 HAMSTER FILMS - ORPHEE PRODUCTIONS