【深ヨミ】安室奈美恵『_genic』での先進的な試みがECセールスでも結果を残す
【深ヨミ】安室奈美恵『_genic』での先進的な試みがECセールスでも結果を残す

 6月22日付のBillboard JAPAN週間セールスアルバムチャート “Top Albums Sales”では、安室奈美恵の最新アルバム『_genic』が貫禄のチャート1位に。そして、複合チャート“Hot Albums”(CDセールス/デジタル・ダウンロード/ルックアップ回数の3指標を合算したアルバム複合チャート)でも1位を獲得し2冠を達成した。

 『_genic』は、全曲新曲&全曲ノンタイアップでのリリースにも関わらずBillboard JAPANで2冠。かつオリコンウィークリーランキングでも1位を獲得した。先日の記事(http://bit.ly/1QI81qd)でも紹介したが、安室奈美恵が稀代のポップスターだということを改めて知らしめる結果となった。また、このアルバムには、デヴィッド・ゲッタや初音ミクとコラボレーションした楽曲が収録されておりリリース前から注目を浴びていた。さらに、映像作品の連続公開も話題性抜群だった。世界初となる拡張機能を活用した「Anything」や、タッチを疑似体験することができる「Golden Touch」のMVなどは、MVの常識を打ち破ったと言っても過言ではないであろう。

 この映像作品の連続公開は、“ネット中心のプロモーション”を行ったとも捉えられる。話題性のあるMVを次々とネット上で公開していき、話題を途切れさせない。そうすることで、ECやアルバムDLの販売促進に繋がると考えられる。SoundScan Japanのセールスデータによると、リリース初週のトータルセールス枚数は14.8万枚。そのうち、ECでの売上げは5.3万枚と全体の約36%を占めており、前作『FEEL』よりECでの販売率は伸びた形になった。ネット中心のプロモーションが成功してECでのセールスにも反映されたと言えるだろう。

 安室奈美恵の『_genic』での様々な試みは、チャレンジングであり先進的だ。全曲新曲&全曲ノンタイアップ、ネットでのプロモーションを中心にしてここまで結果が出せるアーティストはそういないだろう。今回のことが他のアーティストに与える影響は大きいはずだし、MVの企画は今後のMVの形を示したのではないだろうか。9月5日のさいたまスーパーアリーナを皮切りにライブツアー【namie amuro LIVEGENIC 2015-2016】を開催。全国15か所・44公演を予定している。彼女がライブで『_genic』をどう表現するのか、いまから楽しみにしたい。