アメリカでは最近、音楽ビジネスを実践体験や業界人を講師に迎えた授業を通して学ぶ機会を設けた大学や教育機関が増えている。このような学校は、教育と音楽ビジネスの形が変化するのに順応しているのだ。米ビルボード誌9月27日号では“Music Business Education”(音楽ビジネス教育)と題したレポートにて、いくつかの学校を調査している。

 例えばボストンのバークリー音楽大学では、バンドと音楽プロモーターやレーベルをつなぐサイト“Sonicbids(ソニックビッズ)”のCEOを務める卒業生、パノス・パネイが、新設された“Berklee Institute for Creative Entrepreneurship(創造的起業のためのバークリー研究所/BerkleeICE)”の初代所長となった。新しいエンターテインメント産業において起業家としてのキャリアに備えるのが目的のBerkleeICEでは、“途方もないアイディア”を提案することが新製品、サービス、ビジネスの創造を促進することにもなる。同プログラムで提供される“Berklee ICE Tempo Accelerator”は、新ビジネスの製品とアイディアのためのジャムルームと研究室を兼ねているのだ。

 バークリーの音楽ビジネス/音楽マネージメント部長、ドン・ゴーダーは、「今の音楽ビジネスの学生は数少ないメジャー・レーベルへの就職を求めるよりも、自分自身の手作りのビジネスとチャンスを築き上げるための知識を身に付けなければなりません。可能性は無限です」と語る。

 オンライン教育のパイオニアであるバークリーは今秋、非営利団体が提供する音楽ビジネスにおける専門研究で初のオンライン学士号を授与することになっている。