障害児の親子ポートレートを撮り続ける写真家・葛谷舞子 「この子たちがいたから写真家になれた、その“恩返し”がしたい」

  • 鈴木由紀子、凱士(左、16歳、ダウン症・自閉症)
<br />【夢】家族で海外旅行
<br />【障害がわかったときの気持ち】この子の前途が多難なのでは、と案じて一瞬涙しました。実は多難というのはまわりが勝手に思うことで、本人は天真らんまん、楽しく生きている。楽しかったらそれでいいじゃない
<br />【いまの気持ち】大きな病気もなく、元気に成長してくれてうれしい。楽しく過ごしてくれて、ありがとう。でも、こだわりは少なく、声は小さく! お願いします
<br />(撮影:葛谷舞子)
  • 齊藤由美、菜桜(左、16歳、ダウン症)
<br />【夢】みんなが笑顔になれるモデルになりたいです(菜桜)
<br />【障害がわかったときの気持ち】「人生もう終わった」と思いました。これからどうしよう? 育てる自信もない、私は無理……夢であってほしいと、毎日毎日泣いていました
<br />【いまの気持ち】つらいこと、苦しいこともたくさんあるけど、がんばっている菜桜は、すごいよ! 偉いよ! Angel★Smile いつも笑顔いっぱいの菜桜が大好きだよ! 菜桜の夢、母は全力でサポートするからいっしょにがんばろうね!
<br />(撮影:葛谷舞子)
  • 関根仁美、真衣(右、28歳、ダウン症)
<br />【夢】嵐の櫻井くんと空手をしたい(真衣)。いつまでも真衣の笑顔を見ていたい(母)
<br />【障害がわかったときの気持ち】生まれてすぐに、ダウン症とわかって、余命1年と告知されました。「この子の命、私たち家族が絶対守る!」と、入退院を繰り返しながら、1年の命を2年に、もう1年のばして……。障害をひとつの個性として見てくれる人たちが、もっと増えてくれるといいなと思います。私たちもそうした視点が持てるようになって、心が豊かに優しくなれたことがとてもうれしい! 真衣が「ダウン症」で生まれてきた意味は、そこにあるような気がします
<br />【いまの気持ち】やりたいこと、やっていいよ! お母さんが見守って支えるからお母さんが困ったときは、真衣が支えてね!
<br />(撮影:葛谷舞子)
  • 花岡知恵、桜(左、12歳、重度知的障害)
<br />【夢】親が亡き後も、安心して生きていけるコミュニティーをつくりたい
<br />【障害がわかったときの気持ち】1歳あたりでなんか変だなと思い始めたので、1歳半検診で指摘されたときはそんなにショックじゃなかったのですが、「障害者」は自分の人生にはまったく関係ないと思っていたので、とにかくありえないし、「まさか」だし、寝耳に水だし、数年間は受け入れられなくて全否定していました
<br />【いまの気持ち】「ありのまま」って最高だね! だだ生きているだけでいい。やりたいことだけやればいい。それを他人に身をていして教えることは、あなたにしかできないことです
<br />(撮影:葛谷舞子)
  • 亀井由美子、康生(右、14歳、未熟児網膜症)
<br />【夢】シンガー・ソングライター(康生)
<br />【障害がわかったときの気持ち】不安な気持ちでいっぱいでした。どうか、視力が残りますようにと願い、いろいろな治療や手術を行いましたが、現状は光覚を残すのが精いっぱいでした。初めは悲しみに打ちひしがれましたが「親として、できることは何か?」と思い悩みました。これからの医学の進歩に望みをかけています
<br />【いまの気持ち】夢に向かって頑張ってほしい
<br />(撮影:葛谷舞子)
  • 小田育子、泰誠(左、5歳、全盲・知的障害)
<br />【夢】家族で音楽セッション。たいちゃんが、音楽が好きなので、好きなことを見つけてほしい
<br />【障害がわかったときの気持ち】妊娠9カ月のときに胎児異常が見つかりました。それまで順調だと思っていた妊婦生活が一気に地獄化したのをはっきりと覚えています。産まれてきても生きていけるかわからないと言われたなかでの出産。生まれてからもたび重なる大きな手術。これ以上、手の施しようがないので、「看取り」も考えてほしいと言われたときの気持ち。治療や入退院ばかりの生活が続いていたので「たいちゃんは産まれてきて本当に幸せだったのか」と、3歳ごろまで、自分のなかで葛藤していました。見た目による偏見に嫌な思いは数えきれないほどしていますが、それでもあのとき「看取り」という選択をせずに精いっぱい生き抜いてくれた、たいちゃんに感謝の気持ちでいっぱいです。そんなたいちゃんが「パパとママとお兄ちんのところに来てよかった」と思える笑いの絶えない家庭でありたいです
<br />【いまの気持ち】毎日すてきな笑顔を届けてくれてありがとう。たいちゃんのペースでできることを増やして、楽しいことをたくさん見つけていこうね!!
<br />(撮影:葛谷舞子)
  • 関連記事を見る
記事本文に戻る
あわせて読みたい
  • 写真家・川内倫子が「子どもという自然」を写した特別な3年間
    写真家・川内倫子が「子どもという自然」を写した特別な3年間
  • 仕事がなくなった「おとーたん」と、休園になった保育園の娘との日々 写真家・小澤太一
    仕事がなくなった「おとーたん」と、休園になった保育園の娘との日々 写真家・小澤太一
    写真家・片山真理 木村伊兵衛写真賞の受賞前とその後
    写真家・片山真理 木村伊兵衛写真賞の受賞前とその後
あなたへのおすすめ
「一粒万倍日」と「天赦日」が重なる最強開運日にお財布を新調しよう!収納力重視派にオススメの長財布46選
2024年この本が読みたい!「本屋大賞」「芥川賞」「直木賞」
大人も夢中!2024年アニメで話題になった作品を原作マンガでチェック
大谷翔平 その先へ

大谷翔平 その先へ

米プロスポーツ史上最高額での契約でロサンゼルス・ドジャースへ入団。米野球界初となるホームラン50本、50盗塁の「50-50」達成。そしてワールドシリーズ優勝。今季まさに頂点を極めた大谷翔平が次に見据えるものは――。AERAとAERAdot.はAERA増刊「大谷翔平2024完全版 ワールドシリーズ頂点への道」[特別報道記録集](11月7日発売)やAERA 2024年11月18日号(11月11日発売)で大谷翔平を特集しています。

大谷翔平2024
アメリカ大統領選挙2024

アメリカ大統領選挙2024

共和党のトランプ前大統領(78)と民主党のハリス副大統領(60)が激突した米大統領選。現地時間11月5日に投開票が行われ、トランプ氏が勝利宣言した。2024年夏の「確トラ」ムードからハリス氏の登場など、これまでの大統領選の動きを振り返り、今後アメリカはどこへゆくのか、日本、世界はどうなっていくのかを特集します。

米大統領選2024
本にひたる

本にひたる

暑かった夏が過ぎ、ようやく涼しくなってきました。木々が色づき深まる秋。本を手にしたくなる季節の到来です。AERA11月11日号は、読書好きの著名人がおすすめする「この秋読みたい本」を一挙に紹介するほか、ノーベル文学賞を受賞した韓国のハン・ガンさんら「海を渡る女性作家たち」を追った記事、本のタイトルをめぐる物語まで“読書の秋#にぴったりな企画が盛りだくさんな1冊です。

自分を創る本
カテゴリから探す
ニュース
政治家はなぜ不倫するのか 精神科医・和田秀樹が教える「愛のホルモン」テストステロンとの付き合い方
政治家はなぜ不倫するのか 精神科医・和田秀樹が教える「愛のホルモン」テストステロンとの付き合い方
テストステロン
dot. 1時間前
教育
〈いい夫婦の日〉2児の父・古坂大魔王が“育休”を取ってわかったこと 「妻は毎日子育てマラソンを100キロ走っているようなもの」
〈いい夫婦の日〉2児の父・古坂大魔王が“育休”を取ってわかったこと 「妻は毎日子育てマラソンを100キロ走っているようなもの」
古坂大魔王
AERA with Kids+ 1時間前
エンタメ
Snow Man・深澤辰哉が大人の恋愛に挑戦 「そのままでいてくれればいい」ナチュラルな魅力〈木曜劇場「わたしの宝物」第6話きょう放送〉
Snow Man・深澤辰哉が大人の恋愛に挑戦 「そのままでいてくれればいい」ナチュラルな魅力〈木曜劇場「わたしの宝物」第6話きょう放送〉
深澤辰哉
AERA 8時間前
スポーツ
〈見逃し配信〉立浪監督とともに中日を去る和田一浩打撃コーチに他球団が熱視線 「西武はコーチ打診すべき」の声が
〈見逃し配信〉立浪監督とともに中日を去る和田一浩打撃コーチに他球団が熱視線 「西武はコーチ打診すべき」の声が
中日
dot. 1時間前
ヘルス
アメリカで【子宮頸がん検診】女医が驚いたこと「早朝受診」「翌日メールで結果」山本佳奈医師 
アメリカで【子宮頸がん検診】女医が驚いたこと「早朝受診」「翌日メールで結果」山本佳奈医師 
山本佳奈
dot. 11/13
ビジネス
新NISA開始8カ月で買われた日本株ベスト30!【通常非公開データ】メガバンク3銘柄は買いか
新NISA開始8カ月で買われた日本株ベスト30!【通常非公開データ】メガバンク3銘柄は買いか
AERA Money
AERA 14時間前