「奇界遺産」だけではない佐藤健寿の世界　言語化できない記憶の断片を撮る

さとう・けんじ／1978年生まれ。写真家。『奇界遺産』シリーズは写真集として異例のベストセラーに。ほか著書に『世界』『THE WONDER MAPS 世界不思議地図』『PYRAMIDEN』『CARGO CULT』など。TBS系「クレイジージャーニー」ほかTV出演多数（撮影　写真映像部・松永卓也）

佐藤さんの原点となった、2003年に撮影された「エリア51」の展示の前で（撮影　写真映像部・松永卓也）

シンガポールのホテルの屋上に置かれていたベッド。写真展「U.F.O.」では、こうした20年あまりの旅の「記憶の断片」が佐藤さんの代表作と一体化して並べられている。佐藤健寿写真展「U.F.O.」は 6月24日まで、キヤノンギャラリー S（東京・品川）で開催中（撮影　写真映像部・松永卓也）

今年2月にCanon EOS R1で撮影された、裸で爆竹を浴びる過激な台湾の奇祭「寒単爺」。これら最新の「奇界遺産」的な作品に始まり、原点である03年のエリア51に戻っていく写真展では、自らフィールド音とシンセサイザー音を合成したという音が静かに響き、佐藤さんが紡ぎ出す世界に吸い寄せられそうになる©Kenji Sato