たなか・しんや/1972年、山口県生まれ。山口県立下関中央工業高校卒業。2005年「冷たい水の羊」で新潮新人賞受賞。08年「蛹」で川端康成文学賞を受賞、同年「蛹」を収録した作品集『切れた鎖』で三島由紀夫賞、12年「共喰い」で芥川賞受賞(撮影/写真映像部・和仁貢介)
『死神』(1870円〈税込み〉/朝日新聞出版)うだつの上がらない作家である私の人生の折々に登場してくる死神。中学2年生で初めて出会ったあいつのことだけは、これまで作品には書けなかったのだが、ある理由から死神と過ごしてきた時間を小説に書くことにする。芥川賞作家がユーモラスかつ痛烈な筆致で描く、「死」と「家族」の物語