川上弘美(かわかみ・ひろみ)/1958年生まれ。94年に『神様』でデビュー。著書に『蛇を踏む』『センセイの鞄』『真鶴』など。近著に『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』(撮影/山本倫子)
『明日、晴れますように続七夜物語』(2090円〈税込み〉/朝日新聞出版)2012年に発売された、『七夜物語』の続編に当たる。同作の主人公は、小学生だった頃の絵の母とりらの父。本書は、第一章「20」を何げなく書き始めたことをきっかけに、8年かけ完成させた。小学生が学年別に習う漢字表をベースに、会話も思考も平仮名と漢字が織り交ぜられ語られる。「制限はかかりますが、それにより普段の文体とは異なることが言えるようになったかもしれません」(川上さん)